l小諸城
 入口の近くまで戻ってきた。入場時に四か所の施設に入館できるセット券を購入したので、それぞれ観ていきたいと思う。
 まずは、島崎藤村記念館。実は一年ほど前に藤村の「破戒」を読んでいた私は、その初版本や原稿が展示されていることに感動した。「破戒」の内容については、興味ある人は検索していただくとして、主人公の人柄は教師経験のある藤村だからこそ描けたのではないだろうかと強く感じさせられた。そんな印象を受けた静かで質素な造りの館内は、とても居心地の良いものだった。
 続いて鹿島神社に参拝した。ひらけた境内の明るい雰囲気。太陽はだいぶ傾きつつある。すぐ近くの小山敬三美術館に移動する。
 白い洋館風の建物は靴を脱いで上がるので、中はとても綺麗だった。絵画を語れる知識はないので解説が難しいが、風景画は輪郭がダイナミックで、肖像画は多数の色を使って繊細。印象に残る作品群だった。館内が綺麗だったこともあって癒された気分。
 入口に向かう道を辿り、入場券を買った所まで帰ってきた。脇にある懐古館に入場。ここは小諸城に関する資料を展示した施設。大河ドラマ「風林火山」のポスターも掲示されている。城下町と城のジオラマ。江戸時代の書状など、ゆっくり見ていきたい施設だったが、日没が迫ってきて時間がなかったのが残念だった。
 少し早足気味に、名残り惜し気味に門をくぐり、すぐ近くにある小諸義塾記念館に入る。古びた洋館そのものという施設で、ここも靴を脱いで入館する。島崎藤村も在籍して教育にあたったというこの学校。その設立経緯から教育についての解説などが展示されている。思いのほか展示物が多く、時間に追われて観るのが勿体なく思う。
 一通り見終わったのであとは駅に向かう。二時間ほど滞在していたことになるが、もっと居たかったというのが本音。季節を変えて再訪しよう。そう決めて小諸駅に着いた。寒風が吹いていた上田に比べると気温も穏やかで、きっと小諸城とは相性がいいのだろうと思わされた。城好きも、観光も、どちらを目的にしても堪能できる場所。それが、懐古園こと小諸城だと思った二時間だった。
 懐古園公式サイト
 小諸からは少しずつ暗くなってきた空の下、浅間山を眺めながら軽井沢に向かった。久しぶりにやってきた軽井沢駅は駅舎が改築されていたが、レトロな洋館のような雰囲気は満点だった。日の暮れた駅前を少し歩いたが、かなり寒い。駅の券売機で新幹線の自由席券を買うと、もう今回の旅がラストに迫った実感があった。
(RICOH GR)
2018.02.12 Mon l 神奈川県外の戦国史跡 l コメント (0) トラックバック (0) l top
小諸城
 石垣がある区域にやってきた。石は浅間山が噴火した時に飛んできた「焼石」と呼ばれる石を試用しているそうで、溶岩が流れて出来た谷を天然の空堀(水を張っていない堀)として活用したり、自然を生かした造りだ。石には苔がついていて、それもまた不思議な味を醸し出している。
 石垣に上がる階段を昇ると天守台跡があった。少し高い位置なので、なかなか見晴らしがいい。柵などがないので橋まで来ると少し怖くもあるが、それもまた野趣に富んでいてよいものだ。
 歩いていくと懐古神社があった。さっそく参拝。小諸城の敷地は全体的におだやかな空気に包まれているので、この神社も落ち着く空間だった。
 公園として整備されているので、随所に案内板があるのが嬉しい。いろいろと優しい小諸城である。
(RICOH GR)
2018.02.10 Sat l 神奈川県外の戦国史跡 l コメント (0) トラックバック (0) l top
小諸城
 懐古園こと小諸城跡を歩き始めた。五百円で四つの施設を見学できるセット券があるので、そちらを購入。公園になっている所を歩くだけなら無料で、たぶん前回は無料で中に入ったと思う。
 歩き始めてすぐに巨大な空堀(写真左上)が現れた。この空堀を境にして左上が動物園、右上が公園になっている。公園といっても、石垣などの城の遺構があり本丸跡があるのは右なので、そちらを楽しみにしつつ、まずは左に向かう。
 実は空堀と思ったのは、浅間山が噴火した時に出来た谷である。自然の地形を大がかりな防御設備に活用しているというわけだ。見事なまでの設計だ。私はテンションが上がりまくりである。脳内には大河ドラマ「風林火山」のテーマ曲が流れている。先ほど上田では「真田丸」のテーマが流れていたというのに、変わり身の早いものだ。しかも、昨日は武田氏のライバルである上杉氏の越後で過ごし泊まったというのにだ。私は上杉氏も武田氏も好きだ。
 さて、動物園にやってきた。日曜ということで家族連れが何組か居て楽しんでいる。個人的には城跡に歴史とは無関係な施設を造るのは好ましくないと思っているのだが、なぜか此処の動物園はほがらかな気分になっていった。規模が小さく、全体的に手作り感に溢れているからだろうか。私は資金力全開なものより、こういう施設に弱い。すっかり気分は楽しくなり、ひとつひとつの動物を見て回った。
 心なしか、動物たちものんびりとしているように見える。空気がよく、人混みもなく、落ち着いて過ごせる環境なのだろう。動物園の先まで来ると、その向こうの山々と千曲川の谷が見えた。小諸城の先端は千曲川の崖だということを思い出す。
 ドラマ「風林火山」の案内板が立っていた。放映していたのは十年以上前だった筈。主人公山本勘助が造った小諸城は、山の空気もよく、景色もいい。戦のない時は武田氏の家臣たちもこの風景になごんだのだろうか。
 すっかり癒され気分になった頃、谷に架かった橋を渡り、石垣や本丸跡がある方に向かった。
(RICOH GR)
2018.02.08 Thu l 神奈川県外の戦国史跡 l コメント (2) トラックバック (0) l top
小諸城
 上田からしなの鐡道に乗って小諸に着いた。しなの鉄道は元信越本線だから本数は多い。一時間に二本くらいの割合で走っているので、あまり時間を気にせず乗れるのがいいところだ。
 小諸に来るのは久しぶりだ。前回来たときは確か駅の裏にある懐古園に足を運んだ。今回もそこに行く。前回は懐古園が城跡だということを知らないまま園内歩いた。公園という感覚だったのだ。懐古園は「小諸城」の跡なのである。
 前回は地下道を通って線路の下から入口にアクセスしたが、近年造られたと思われる立派な跨線橋が立っていた。屋根は瓦で雰囲気満点である。
 跨線橋を下りて少し行くと、地下道の出口と合流し、懐古園の門の前に出る。入口の近くに懐古園の案内マップ、というか小諸城の見取図ともいうべき地図があった。実はこの小諸城は他の城にはない大きな特徴があるのだ。
 普通の城は町よりも高くそびえ、町を見下ろすように立っている。町の警護だったり、敵襲を見張るためだったり、理由はいくつかあるだろうが、そのように造られているものが多い。
 だが、この小諸城は違う。町より城が低い位置にあるのだ。つまり門の場所が一番高い所で、城の奥に行くほどに低い位置になっていく。一番奥は千曲川の崖になっている。この変わった造りは「穴城」と呼ばれるもので、非常に珍しいものなのである。
 この変わった設計の小諸城を普請(城の設計)したのは、武田氏の家臣であり、大河ドラマ「風林火山」の主人公にもなった山本勘助と言われている。上田城を普請したのは真田昌幸(真田幸村こと真田信繁の父)だが、真田氏も元々武田氏の家臣だった。武田氏の城は個性的な名城が多く、ここ信濃や本拠の甲斐、のちに領地としていく駿河や遠江にも武田氏の関わった個性的な城は多い。
 ということで、小諸城を見ていこう。上田城、小諸城と大河ドラマの主人公に関連した城めぐりの旅の後半戦である。
(RICOH GR)
2018.02.07 Wed l 神奈川県外の戦国史跡 l コメント (0) トラックバック (0) l top
上田城
 小千谷駅からは、長岡からやってきた飯山線直通の列車に乗る。日曜の朝のローカル線は空いている。雪まつりで知られる十日町を過ぎたあたりから雪が深くなってきた。
 無人駅のホームは雪で埋もれ、山も樹木もひたすら白だ。飯山線は日本有数の豪雪地帯のローカル線なのである。
 戸狩野沢温泉駅で長野行きに乗り換えとなった。長野県は新潟県とは異なり晴れである。地面に雪は残るが空は青い。千曲川の水面が美しく空を映し出している。
 長野駅からは、しなの鉄道となる。上田駅に到着すると大河ドラマ「真田丸」のテーマが流れてきた。写真を撮ったりして、ゆっくりと階段を上がり、真田関連のおみやげが並ぶ店を過ぎ、改札口に来たところで、ちょうどテーマ曲は終わった。
 駅の入口にも真田家の家紋である「六文銭」が描かれ、とにかくあちこちに真田家にちなんだものが溢れている。上田は真田家の町。そんな演出なのである。
 私は徒歩で上田城に向かった。脳内に真田丸のテーマが再生される。二十分ほどで到着した。上田城は街中にあり、市民の公園として親しまれている。道路などの位置からは少し高くなっているので眺めもいい。真田石という良質の石を用いた石垣も立派で、門の雰囲気もいい。
 戦国時代は真田氏の城だった上田城には真田神社がある。訪問の挨拶ということで参拝して、次は堀に沿って城の周りを歩いた。
 江戸時代は仙石氏の城となった上田城の堀は、やはり江戸期の城らしさに溢れる大きなもので、水は凍っていた。それがまた風流である。
 帰り際、すれ違ったボランティアガイドのお姉さんが笑顔で挨拶してきた。青空の下、どこまでも雰囲気の明るさが印象的な綺麗な城だった。さて、次は駅で蕎麦を食べよう。信州といえば、やはり蕎麦である。
(RICOH GR)
2018.02.06 Tue l 神奈川県外の戦国史跡 l コメント (0) トラックバック (0) l top
小千谷
 翌朝、私は少し早起きして徒歩で駅に向かった。ホテルのすぐそばにはスナックなどが入っている小さな雑居ビルがあった。タクシーの車内からは気づかなかった。もっとも、このビルに入っている飲み屋が昨夜営業していたのかはわからない。
 駅の方向に太陽が雲間から姿を現してきた。今日は晴れなのだろうか。商店街はひっそりと静まり返っている。歩道の上に屋根が架かっているので雪は防げるため、歩道には積もっていない。昨日の雪の跡は路面に残っているだけだ。
 やがて橋が見えてきた。信濃川だ。昨夜タクシーで渡った時は思いのほか長い橋だと思った。山間だというのに結構川幅が広い。さすが日本一長い川だ。
 橋の歩道に雪が積もって歩きにくいのではないかと心配していたが、歩道の端から温水が噴き出していた。その小型スプリンクラーが一定の間隔を置いて設置されている。
 川のせせらぎは澄んで、静かに流れている。流れている方向が新潟市なのだ。昨日の大雪で街は更に雪深くなっているだろうか。
(iPhone5)
2018.02.04 Sun l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top