豊川稲荷
 旅の三日目は、奈良からJR関西本線に乗って始まった。柏原で降りて、近鉄道明寺線に乗って道明寺に向かう。日本一営業路線の総距離が長い民鉄である近鉄。この道明寺線で、その近鉄の全線乗車を達成した。
 午後、東海道本線で東に向かっていく。大阪~米原~大垣と乗り継いで、やってきたのは豊橋。駅が改装されて、コンコースが新しくなっている。一旦、改札口を出て、ここからは青春18きっぷではなく、旅の初日に買ったmanacaを財布から取り出し、自動改札機にタッチして入場する。私が向かったのは名鉄線のホームである。
 名鉄名古屋本線で二つめの国府(こう)駅で乗り換える。ここからは名鉄豊川線が出ている。思っていたより乗車率がよく、座席の七割くらいが埋まって発車。
 電車は、やがて豊川市の町並みに入り、終点の豊川稲荷駅に着いた。これで、私は名鉄の全線にも乗りつぶした。名鉄は近鉄に次ぐ路線規模を誇る民鉄である。どちらも日が出ている間に一日で全線に乗るのは不可能な規模だ。
 豊川稲荷は開けた景色な境内で、本殿も大きい。参拝のあと、参道沿いの商店街を歩く。どの建物も、裏道も、とても昭和していて好ましく感じる町。時間の関係でゆっくり出来ないのが残念だ。
 帰りは青春18きっぷを使って、JR飯田線で豊橋に向かう。時間的には、豊橋まで乗換がない、このルートの方が行きより早い。豊川駅は真新しい駅舎で、豊川稲荷への案内も充実していた。商店街の各店舗の案内マップを掲げているのは、観光客にとってありがたいサービスと思う。
 そして、御稲荷さんということで、きつねのマスコットもいくつか飾られている。こういう演出も好ましく思うのである。
(FUJIFILM X100)
2017.04.12 Wed l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
宝山寺
 生駒山上駅から発車するケーブルカーは40分間隔で運転されている。宝山寺~生駒山上は本数が少ない。20分ほど滞在して折り返し便に乗った。
 帰りはまっすぐ帰らず、生駒ケーブル乗車の一番の目的である宝山寺に向かう。駅を出ると、細い一本道が左に延びる。斜面に作られた駅前道である。道なりに飲食店が数軒あり、すぐに麓の生駒駅方面に向かう階段道が現れた。ここを下りていくと住宅街で、その先の麓の風景が広がる。
 階段の入口には瓦の立派な旅館が建ち、駅前道のその先にも旅館が連なる景色になっている。道端には旅館案内の看板があった。ここの旅館街がどんな旅館であるかは詳細は書かないが、まずは宝山寺に向かう。
 参道に向かう階段は古い家屋が並ぶ、その階段を上がると木々の生い茂る山になり、宝山寺の入口に出た。宝山寺は生駒聖天と呼ばれ、歓喜天(聖天)を祀っている。そのためか、お寺でありながら大きな鳥居が参道に建っている。
 山門をくぐり、境内に入っていくと、限られた平地のスペースにいくつもの建物が建っていた。階段を上がりながら奥に入っていくと、次々とお堂が現れる。山の斜面を利用した造りで、とても奥行きのある境内である。森の中に延びる参道の両側にはたくさんのお地蔵さんが並び、静かで厳かな空気を醸し出す。
 予定していた時間を超えるほど境内は広く、ゆっくりと回りながら参拝を済ませて旅館街に戻ってくると、日はだいぶ傾いていた。改めてまた訪れたいと思いながら宝山寺の参道を出る。
 先ほど歩いていない道を歩きながら旅館街を眺める。どれも昭和レトロな和式旅館である。玄関に小さく「十八歳未満は宿泊できません」と断り書きを掲げている旅館もあれば、普通のちょっと洒落たカフェもある(参拝客向けだろうと思われる)。
 地形に沿って曲がりくねった細い道の両側に、このような商店や旅館が並ぶ風景は、黄昏時に深く溶け込みながら夜を待っているかのようだった。歩いている人も少なく、日の傾きとともに寒くなってきた。
 先ほど通った、住宅街に向かう下り階段から小さな女の子を連れたお父さんが歩いてくる。地元の人なのだろう。二人の後ろを歩き宝山寺駅に入ると、閑散とした構内に誰も乗っていないケーブルカーが待っていた。
 このまま三人だけで麓に下りるのかと思いきや、発車時間が迫ると生駒山上駅からのケーブルカーが到着し、カップルや家族連れが乗り込んできて少し賑やかになってきた。急に俗世間に帰ってきたような気がして戸惑いを感じながら、数分で生駒駅前の賑やかで洒落た町並みに着いた。
 宝山寺ホームページ
(FUJIFILM x100)
2017.04.09 Sun l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
生駒
 夕方、近鉄電車で生駒に着いた。駅前から連絡通路を歩き、すぐの場所に鳥居前駅がある。この駅はケーブルカーの駅で、正式には近鉄生駒鋼索線という。開業は1918(大正7)年。日本最古のケーブルカーである。
 生駒ケーブルは他のケーブルカーに比べ少し変わっていて、途中で乗り換えがある。鳥居前を出たケーブルカーは。ひとつめの駅である宝山寺駅までの運転で、その先の生駒山上駅方面へは乗換となっているのだ。路線名も、宝山寺線と山上線に分かれている。
 そういう訳で、まずは宝山寺線に乗る。ケーブルカーなので急勾配を登っていくが、沿線が宅地化されていてマンションまであったりする。そういう立地なので踏切も存在する。宝山寺線には三カ所の踏切がある。普通のケーブルカーは観光路線である事が多いが、宝山寺線は通勤通学にも使われているという。
 私が乗っているのは、犬のマスコットをデザインした「ブル号」で、猫の「ミケ号」という車両もある。写真の右に停まっているのは予備車両で、多客時などに運行されるそうだ。
 宝山寺駅で降りる。左に改札口があり、その先に階段を上がると生駒山上行きのホームである。山上線の車両はケーキをイメージしたデザインの「スイート号」。他に、オルガンをデザインした「ドレミ号」という車両も山上線で走っている。
 山上線は観光路線であるので、宝山寺線と比べ本数も少なく、終電も早い。基本的には山上にある遊園地のための路線という感じである。
 山上線は途中駅があり、梅屋敷、霞ヶ丘の二駅ある。宝山寺線と異なり山上線は山の中を走る。後方の窓からは、生駒の町並みがパノラマ展開している。
 終点の生駒山上駅は、駅を出てすぐ遊園地の入口という立地だった。空が広い。猫がのんびりくつろいでいる。のどかだ。
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2017.04.07 Fri l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
大和郡山城
 大和郡山の町並みを撮影しながら近鉄郡山駅のほうに出る。町の中心地はJRではなく近鉄の駅のほうで、これは元々、私鉄のほうが国鉄より発展していた関西ならではの立地関係である。
 近鉄の線路に沿って北に歩くと、すぐに大和郡山城の石垣が見えてくる。先ほどJR駅から歩いている途中、外堀公園という堀を埋めて作られた細い公園があったのだが、線路の外側にも道路沿いに石垣が残っていたりする。往時は、かなり立派な城下町だったようだ。
 城への入口は駅の近くだが、私は堀に沿って周囲を歩いてみた。堀の幅は10m以上あり、石垣の高さも堀と同格か、それ以上の規模。かつて、豊臣秀長(秀吉の弟)の居城だったということもあり、相当な規模の城である。
 郡山高校のグラウンドの脇を抜けると、江戸時代の城主であった柳澤家の資料を揃えた柳沢文庫と柳澤神社がある。参拝して境内を歩くと、その先に、しばらく工事中だった天守台がそびえていた。
 大和郡山城は現存天守の城ではなく、復元された天守閣はないが門の近くに復元櫓がある。櫓の横を通り、堀に沿って歩いていくと、本丸に向かって建っていたという極楽橋の跡があった。復元を目指しているそうで、実現したら是非とも見てみたい。イメージ図があったので、それを見ながら、当時の風景を想像してみる。
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2017.04.05 Wed l 神奈川県外の戦国史跡 l コメント (0) トラックバック (0) l top
大和郡山
 大和郡山の町は格子戸の残る家、古い看板を掲げた商店、板張りの二階建て家屋、様々なレトロ建築が残っている。道も拡張されず狭いままで、その道の真ん中に小川が流れているような道もある。
 一般的には観光コースから少し外れているようだが、大和郡山から橿原、下市口といったあたりは、こういった古い建築物の残る町である。定番観光コースから外れているという事は、落ち着いて見学できるという事でもある。
 大和郡山も、そういう意味で歩きやすい町であった。道が狭いゆえに写真を撮る際は後方から来る車にも気を遣うが、とても良い雰囲気に包まれた町である。定番観光コースではないので土産物屋が並んでいたりする事はないが、旅は非日常に触れるものであるという定義に沿って言えば、十分すぎるほど非日常(もちろん地元の方々には、これが日常)に触れられる町なのである。
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2017.04.02 Sun l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
大和郡山
 四日市から関西本線を亀山で乗り継ぎ、伊賀の山並みを眺めつつ奈良県へ。
 郡山駅で降りて、大和郡山市内を歩く。一般的には古い町並みの残る街というイメージは奈良より京都なのだろうけれど、実は奈良の方が雰囲気がある町が多い。大和郡山もそんな町のひとつである。
 まず私が向かったのは、洞泉寺(とうせんじ)町。ここは、かつて赤線があった場所である。今は静かな住宅街だが、往時を偲ばせる古い木造建築の家屋がいくつも残っている。
 細い道にそびえ建っている三階建ての家屋。夜になると現役なのではないかと錯覚してしまいそうなほど、独特の雰囲気に満ちた町並みである。
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2017.04.01 Sat l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top