会津若松
 会津鉄道で会津若松駅に着いた頃には、空はすっかり夜になっていた。
 ここからの流れはその場の勢いで決めることにしている。一旦、駅前に出て店を物色してみようということにしたが、外は風が強く、雪も激しくなってきた。
 会津若松の町の中心部は駅から離れていることは過去に訪問して知っているが、この風雪の中を店を探しながら歩くのは困難だった。ということで、駅前の居酒屋に入る。そこしか選択肢がないような流れだ。
 しかし、入ってみてわかることというものがある。お通しは二つのうちどちらかを選ぶ方式。店員のお姉さんが「あんきも」と言った瞬間、有無を言わずあんきもを選択。お通しでこれとは期待できる。
 同行のTさんが「馬のレバーが食べたい」と顔にハートを浮かべて所望する。我々は馬刺しとレバーを地酒で堪能した。
 一時間ほどの滞在だったが、すばらしい途中下車となった。宿泊地を会津若松にしなかったことを悔やんだ。Tさんは初訪問だが、私は二回泊まっている上に何度か訪れている町なので今回はパスしてしまったのだ。和洋それぞれ良い店があり、カフェも良いのは経験上知っていて、敢えて宿泊地から外したのは失敗だった。私自身、少し前に戊辰戦争に於ける会津での戦いについて書かれた本を読んで、改めて町歩きをしたいと思っていたのにである。
 Tさんは喜多方ラーメンにも未練があるようである。「只見線の旅でもした時に会津若松に泊まって喜多方にも行こう」と私は再訪を誓った。喜多方も泊まったことがあるが、早朝からあちこちのラーメン屋が開いているという凄い町である。
 我々は磐越西線に乗って郡山に向かい、ホテルに荷物を置いたあと飲みに出かけた。そこはそこで、なかなか良い店だった。帰りに、お姉さんが外まで出てきて「良いお年を」と言ってくれたのは粋を感じて、嬉しい気分にもなった。福島県はいい所である。
(SONY NEX-6 LENS:SONY SEL 16-50mm F3.5-5.6 OSS PZ)
2018.01.16 Tue l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
湯野上温泉
 湯西川温泉駅からは東武鉄道の特急リバティ会津に乗る。この特急は浅草と会津田島を結んでおり、会津田島では会津若松行きの快速と接続している。
 登場してまだ一年と経っていないので、とても綺麗な電車だ。特急券を買わないと乗車できないが、今回の旅で唯一の特急列車なので、まったりとくつろぐ。途中、反対方向から来る列車の待ち合わせで停車した駅は、ホームに雪が高く積もっていた。発車までの間、ホームに出て雪を掴む。さらさらして綺麗だ。空は会津地方になってから晴れになった。
 会津鉄道の会津田島駅で会津若松行きに乗り換え。電車が走れる区間はここまでで、此処から先はディーゼルカーなのである。
 雪の積もる農村を、列車はゆっくりと辿っていく。雪を乗せた針葉樹が並び、その手前には広い畑が白く横たわっている。はるか向こうは白い山々。そんな風景の中を走る。
 湯野上温泉駅で降りた。駅舎の中に囲炉裏があり、テーブルには湯呑とポットと急須と茶葉の缶。いい駅である。お茶を飲んでくつろぐ前に、まずは周辺を散策した。
 駅のすぐそばに小さな旅館が数件並んでいるが、冬季休業なのかひっそりとしている。家もそれほど多くなく、少し歩くと集落は尽きた。川の上の段丘に作られた集落。そんな感じの風景だ。
 駅の脇には足湯があった。湯西川温泉のものより熱く、長く入っていられなかったが、粉雪の舞うローカル駅の足湯は風情があった。
 次の列車の発車時間まで少しあるので、のんびりとお茶を飲む。木造駅舎の温もりの中で飲むお茶は格別である。
(SONY NEX-6 LENS:SONY SEL 16-50mm F3.5-5.6 OSS PZ)
2018.01.13 Sat l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
湯西川温泉駅
 年末休みを利用して福島県と宮城県を旅する。そういう予定を立てた。青春18きっぷの旅である。
 朝、上野駅を出発して、やってきたのは宇都宮駅。ここは駅弁発祥の駅ということで敬意を表して駅弁を購入。切り刻んだこんにゃくなどが入った稲荷寿司を買う。昼食としては自分的にも良いサイズだ。さすが駅弁発祥の地。いろんな人のニーズに応えてくれるのである。
 駅弁を抱えて日光線に乗り換えたが、通勤型電車で、しかも観光客で混んでいる。だんだん山が近づいてきた。山頂は雪が乗っているが、道端にも雪が積もっている。開いたドアから入ってくる冷気がもう山のものである。ちなみに、この辺りの電車のドアは、乗客がボタンで開閉する仕様だ。
 日光駅からは徒歩で東武日光駅に向かう。以前は日光への鉄道アクセスでは東武の圧勝だったらしいが、この日は互角か、少しJRの駅の方が賑わっている感じに思えた。外国人が多かったからだろうか。ここからは青春18きっぷは使えないので、券売機できっぷを買う。
 東武日光発会津若松行き「AIDUマウントエクスプレス」は一般車の他に特別仕様車を連結している。福島県名物赤べこイメージな赤い車両で、女性乗務員も乗っている。
 この列車、クロスシートなので、ここから駅弁を食べる予定だった。しかも、車内は空いている。鬼怒川の辺りの渓谷風景になったら封を開けようと駅弁を膝に置いた。しかし、二駅めの下今市駅から大量の乗客が乗りこんできた。どうやらSLが走っているらしく、駅が混んでいる。駅弁開封は諦めた。
 列車は鬼怒川の渓谷に入った。空は晴れているが地面は雪景色なので眺めが素敵だ。立ち客が出るほど混んでいた車内も、鬼怒川温泉で大量に降り、新藤原、川治温泉と少しずつ降りて多少は落ち着いた。新藤原からは東武鉄道ではなく野岩鉄道になる。ちなみに、「やがん」と読む。
 野岩鉄道に入ると、俄かに山深くなっていく。駅弁を食べ終わりくつろいでいるうちに、最初の目的地である湯西川温泉駅に着いた。
 この駅はトンネルの中にホームがある。それだけ山に囲まれた場所を鉄道が走っているのだが、駅の外に出てみると、空は曇り、雪が舞い始めている。ここは、鉄道駅に隣接して道の駅がある。そこに足湯があるというので立ち寄った。気温はとても低いのだが、そういう日だけに足湯は気持ちいい。
 湯西川温泉自体は駅から離れている。昔、友人たちを行ったことがあるのだが、その時は駅からバスに乗って行ったものである。一泊二万円という、自分一人なら絶対に泊まらないような料金の宿に泊まったのは良い思い出だ。今日は、足湯だけで先に向かう。
(SONY NEX-6 LENS:SONY SEL 16-50mm F3.5-5.6 OSS PZ)
2018.01.11 Thu l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
安比奈
 西武鉄道安比奈線の路線跡は、農地の中を撮っていった。列車が走らなくなって五十年以上が過ぎているだけに、すでに線路は自然と一体化し始めている。線路の側に木が並ぶ区間では、木の根っこがレールの下にめり込んでいたりする。そんな箇所をいくつか見つけた。
 線路は入間川のところで川沿いに通る線形となっている。途中、川を越える道路の橋によって線路は分断されるが、橋の下をくぐって向こう側に出て探索を続行する。
 道路を抜けてからは、左手に広い農地、右手に土手沿いの藪、そんな風景が続く。レールの下は土が盛ってあるだけのような状態になり、隣の畑の側道との境が曖昧になってくる。
 やがてレールは消え、線路の跡のような道だけとなり、それも尽きた。架線柱のようなものがあることが、ここに鉄道がかつてあった事を伝えるのみだ。この空き地こそ、安比奈駅の跡である。貨物駅だったので、ホームや駅舎などを思わせる遺構はない。
 どのあたりまで探索していいものか、よくわからない風景になってきたが、線路の跡らしき道がわからなくなってきたところで、この廃線跡探訪は終了した。あとは帰るだけである。南大塚駅を出てから二時間近く経っていた。
 南大塚駅と安比奈駅との距離は3.2kmだということは、事前に調べて知っている。帰りはゆっくり撮影したり、立ち止まって景色に見とれたり、道がわからなくて迷いかけたりしないだろうから、一時間もあれば南大塚駅に着くだろう。傾き始めた太陽が、畑と線路を照らしている。廃線跡は黄昏がよく似合う。
(RICOH GR)
2018.01.10 Wed l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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 線路は農地の脇を通りながら、やがて小さな森の中に吸い込まれていった。この先に何があるのだろうか。想像を掻き立てられる風景である。
 この森の区間は、NHKの朝ドラ「つばさ」で登場していた風景なのだそうだ。このドラマを見ていないので何ともコメントできないが、映像として映える眺めであり、ノスタルジーを感じる眺めでもある。
 この森の先は再び農地の脇を走る区間になるが、小さな橋梁があり、木の並び横を線路が延びている風景になる。
(RICOH GR)
2018.01.09 Tue l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top