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 私は旅が好きでいろんな所に出かけてきたけれど、初めて旅カメラとして買ったのは「ミノルタ マックテレ」というコンパクトカメラだった。初めて関西への旅をする時に、これからいろんな旅をするだろうから自分専用のカメラを買わなくてはと、新宿の量販店に出かけた。
 当時は写真を撮る事を趣味にしていなかったので具体的に候補にしているカメラはなく、なんとなくAF一眼レフの売れ筋であるミノルタかキヤノンを買えば大丈夫だろうという程度の認識だった。
 新宿西口のさくらやのカメラ売場にたくさん並べられたカメラを見ているとどれが良いのやら迷ったが、後藤久美子さん出演のテレビCMをよく見かけたミノルタマックデュアルと名前が似ているマックテレを選んだ。世界初の動体予測AF搭載のα7700iのイメージもあって、ミノルタならコンパクトカメラでもAFが速いに違いないと思ったのも理由だった。テレビCMによる刷り込みと、売れているというメーカーイメージ。カメラに詳しくない一般人がカメラを買う時は昔も今もこういうものである。

 そんな感じで、明確な理由もないまま買ってきたマックテレだったけど、旅から帰ってきて写した写真を見ると驚いた。とても写りがいいのだ。かさばるからという理由で旅カメラは一眼レフを選択肢から外していたが、この写りなら一眼レフに安いレンズ付けたのとあまり変わらないのではないか?と私は喜んだ。
 実際、周りの人に旅の写真を見せると写りの良さにコメントが及んだ(あまり有名観光地に行かないので、写した写真そのもが人に関心を持たれにくいのもある)。
 写りが良い理由は、このカメラに付いているレンズがいわゆるズームレンズてはなく、広角と中望遠の二種類を切りかえて使う二焦点レンズであり、よく使う広角側が38mm F2.8と明るいレンズであるからなのだと知るのは、カメラを趣味にするようになってからの事である。当時はそんな事も知らずに私はただ楽しくシャッターを切り続けた。

 このカメラはライカにOEMされて、ライカ初のAFカメラ「ライカ AF-C1」にもなった。そのカメラの話は、私がよく読ませていただいているブログ「しもた屋」さんに記事があるので、こちらもご覧ください。
http://exa555.blog.fc2.com/blog-entry-65.html

 見た目はプラスチックでマニアックな面白さがある訳でもないけど、マックテレはとても丈夫で、綺麗な写真を量産してくれた。流氷を見に訪れたオホーツク海沿岸の釧網本線の旅でもマイナス二桁の気温で快調に動いた。真夏の炎天下の四国のサッカー場でも普通にシャッターを切る事が出来た。北は北海道の稚内から、南は鹿児島の指宿まで、私の旅にはいつもマックテレがそばにいた。

 そんなマックテレが購入12年目あたりで遂に壊れた。巻き上げの祭に一コマ飛ばして巻き上げるようになってしまったのだ。24枚撮りフィルムで12枚しか撮れないという訳だ。
 完全に動かなくなってしまった訳ではないとはいえ、使用していくには問題なので、マックテレを遂に旅カメラの座から引退させる事にした。その後、APSコンパクトカメラのミノルタベクティス2000、一眼レフのミノルタ α-Sweet Ⅱと旅カメラは代わっていった。

 2006年冬、コニカミノルタが写真事業からの撤退を発表した。私は何台かのミノルタカメラを点検や修理に出す事を決め、ある日に新宿の紀伊國屋書店の隣にあったミノルタサービスセンターを訪れた。
 サービスセンターは私と同じように撤退前にメンテナンスを頼みたいと考える人達で混んでいたが、この道何十年という風貌の白髪混じりの優しい笑顔の担当者さんは、私の持ってきた昔のカメラ数台を門前払いせずに快く見積もりしてくれた。そして、修理は半ば諦めていたマックテレも直してもらえる事になった。ミノルタは20年近くも前のコンパクトカメラも修理に応じてくれる頼もしいメーカーだったのだ。

 かくして、マックテレは完動体として今手元にある。傷だらけなのは、それたけ色んな場所を旅してきたからだろう。これからも節目的な旅には使っていきたいと思う。私にとっての永遠の旅カメラなのだから。
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2013.07.20 Sat l カメラエッセイ l コメント (0) トラックバック (0) l top

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