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伊豆大川
 稲梓(いなずさ)駅から各駅停車のリゾート21に乗って伊東方面に向かっている。熱川の辺りからまた空は明るくなってきた。それほど寒くなさそうなので、大川温泉の露天風呂に行こうと決めた。
 伊豆大川駅は無人駅だった。斜面に立つ駅で、山側のホームから短い階段を上がると駅舎がある。駅前広場は狭く、足湯がある他は持ち帰り寿司屋があるくらいで店は少ない。土産物屋か食堂だったのだろうか、使われなくなった店舗がひっそりと残っている。
 道はすぐにT字路となり、左折して海に向かって下りていくと、やがて海岸が現れた。並行して国道が通っている。その国道の脇に温泉に来た人向けに小さな駐車場があった。
 案内看板に従い国道の下に設けられた土管トンネルをくぐると、砂浜に立つ海の家のような温泉がある。手前が女性、奥が男性用の浴室で、真ん中に管理人室がある。
 入浴料500円を払って入るが、ちょうどグループ客が出てくるところだというおばさんの勧めに従い、先客が出てくるのを待ってから入った。カーテンで仕切られた脱衣所は狭く、すぐ脇が浴室だ。
 岩風呂は数人入ったら満員なほどの広さだが、空の下、波の音を聞きながら入る温泉は素晴らしい。肌寒さもすぐに慣れ、いい湯加減に暖まってきた。
 垣で仕切られているので立ち上がって側まで来ないと海は見えないが、海岸で温泉に入れるというのは気分が高まる。貸切状態で楽しんだ。
 出てきたあと、管理者のおばさんと少し世間話をした。飲み物の自販とベンチも置かれ、私が座っている間も海岸に行く人が横を通っていった。
 温泉の近くに三嶋神社が建っていたので参拝する。神社の横から駅に向かって上り道を歩く。来た時は西日が海岸を少し照らしていたが、もう夜が近い。
 次の電車まで少しあるので駅舎に佇んでみる。本棚があり文庫本などが置かれてあった。地元利用客用の貸し出し文庫といったところか。
 すっかり日が落ちた頃、熱海行き電車がやってきた。元東急の通勤型電車であるが、クロスシートとロングシートが混在している内装だ。夜になって車窓は楽しめないが、海側のクロスシートに座る。
 空いていた車内も、伊豆高原駅からは中国人の団体が乗り込み少し賑やかになり、師走の夜の町に向かって電車は淡々と走っている。あとは熱海でお土産を買って夕食をするだけだ。日帰りは寂しく、旅を続けたい余韻に包まれながら、電車はいつしか伊豆急線から伊東線を走っていた。
(FUJIFILM X100)
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2020.01.22 Wed l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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