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皿倉山
 三日目の朝は曇りだった。前夜、ニュースの天気予報を入念にチェックして「計画変更」も覚悟しながら朝を迎えた。九州は大雨であった。スタジアムから旅館までの約15分ほどの道程で傘があってもびしょ濡れになったのだ。
 雨は上がっていたが天気予報では警戒を呼び掛けている。検討の末、行けるだけ行ってみようと博多方面に向かった。雨は南九州が強いらしい。今日は午後に大分県に入る予定だが、雨が強くなってきたら宿泊予定地の中津に留まろうと思う。
 駅は通勤通学者で賑わっていた。なんとか席に座ることは出来た。ところが、博多に近づくほどに空は明るくなり、博多を過ぎても雨の心配はなさそうな空模様であった。私は予定通り、北九州市の八幡駅で下車した。
 八幡は製鉄で栄えた町である。だが、駅の正面には山並みが迫っている。北九州というと海のイメージだが山も多い。
 私はタクシーに乗り込んだ。運転手とは天気の話題となり、雨だったら予定が変わるところだったと安堵している心境を告げた。今回の旅の目的のひとつが「九州の鉄道の完乗」である。残りは三路線。そのひとつをこれから乗る。
 駅からタクシーで5分ほど。山の中腹に駅はあった。ここからケーブルカーに乗って皿倉山の山上を目指す。次の便は10時発だ。1200円の往復券を買う。これはケーブルカーとスロープカーがセットになった乗車券である。
 ケーブルカーは登っていくほに北九州市の街並みを見下ろしていく。関門海峡まで見える。つまり本州も見えるのだ。絶景である。夜景はさぞや綺麗なことだろう。
 山上駅でスロープカーに乗り換える。ここにも展望台はあるのだが、スロープカーはその上の展望台駅に向かっている。展望台駅はレストランなどもあるそうだ。
 九州の鉄道の乗りつぶしにスロープカーはカウントされないのだが、一応レールに沿って走る乗り物であるし、どんなものか体験したかった。以前はこの区間はリフトだったそうだ。乗客は私だけという状態で発車した。
 一本のレールの上を走るためか速度はゆっくりである。ごとごとと細かい振動と音がするが乗り心地は良い。鉄道とは違った乗り味があって非常に面白い乗り物だ。あっという間に展望台駅に着く。私はこの乗り物に乗るために此処に来たのだという気分になっている。
 名残り惜しく降りると、そこには広大な街の景色が広がっていた。ケーブルカーが造られたほどなのだ。この景色を観に来る人が多いという事だ。納得の長めである。
 さて、一人で展望台に長く居ても仕方がない。しかも風が肌寒い。30分弱で私は山を下りる便に乗り込んだ。
 帰りはタクシーではなくバスに乗るつもりである。週末だと八幡駅とケーブル駅を結ぶシャトルバスが走っているのだが、今日は平日だ。山を少し下りた住宅地にバス停がある事は調べ済みである。そこに向かって歩き始めた。
 しかし、どうやら道を間違えたらしい。途中で高速道路と交差する箇所があるのだが、私は陸橋で越えた。本来は下をくぐる筈である。引き返す時間はない。もうバスの時間が迫っている。ある程度の当たりをつけて住宅地を歩く。
 だが、バス停には辿り着けなかった。このまま八幡駅まで歩くこととする。歩いても20分くらいの距離だ。しかも、帰りは下り道なのだ。坂を下っていく。タクシーから見た景色とは微妙に違う。
 街の下まで下りるとバス停があった。人を見つけて道を尋ね、少し大回りではあったが八幡駅に着いた。しかも、予定していた電車にも間に合った。ケーブル駅からだと30分ほど歩いた計算となった。山上では寒いと感じた筈なのに、あまりの暑さにオロナミンCを一気に飲んだ。
(FUJIFILM X100)
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2019.07.20 Sat l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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