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平泉
 バスで水沢駅にやってきた。新幹線の水沢江刺の駅前が閑散としていた印象もあって、Tさんが「割と町だね」と一言。少し遅い昼食は駅構内にあるそば屋さん。平屋の小ぶりな駅舎に似合う素朴な味。おいしかった。
 東北本線の各駅停車に乗って次は平泉に向かう。電車は通勤型。東北の鈍行はこんな型ばかりになってしまった。JRが関東に本社のある会社だから思想が都会型なのだろうか。明日以降もこの型の電車に何度も乗ることになる。
 平泉駅前には数軒レンタサイクルがある。町中を巡回する路線バスもあり、こちらは運賃150円、一日券400円と安い上、15分間隔で走っていて便利なのだが、気分転換も兼ねて自転車を選んだ。
 しかし、駅前で自転車を見定めていたら小雨が降ってきた。選択失敗か。対応にあたってくれたお姉さんは親切な方で、合羽と案内マップをくれ、コースの説明もしてくれた。
 まずは目指すは中尊寺だ。途中、無量光院跡がある。奥州藤原氏三代秀衡が建立した寺院。宇治平等院を模して造られたと言われ、その平等院を凌ぐ規模だったという。火災で焼失し、現在は池が残るのみだ。雨が激しくなってきた。往時を偲びながらち中尊寺に向かう。
 中尊寺は地図だと印象が湧かなかったが、丘の上に造られている。坂を登っていくことになるが、平日だというのに結構観光客が多い。さすが全国的知名度の高いお寺だ。
 本堂にようやく辿り着き、参拝。廊下にも上がらせてもらったが、とても落ち着くお堂だった。奥州藤原氏の唱えた、身分にかかわらず誰もが極楽浄土に行けるという思想は、今も息づいている。訪れた人々を優しく包み込むような空気が存在していた。
 中尊寺はかなり広く、すべてをゆっくり見ている時間を作れなかった事を悔やんだ。向かうは世界遺産となった金色堂だ。ここは800円の拝観料を払って入ることになる。
 奥州藤原氏初代清衡が再興した中尊寺。そして金色堂は、その浄土思想の中心である。案内放送に耳を傾け、しばし見やった。襟を正させるような佇まいであった。
 中尊寺からは、町を南に向かって道路を走っていく。今日は車の通行も少なく、快適なサイクリングだ。雨も上がった。やがて、目的地の毛越寺(もうつうじ)が見えてきた。
 毛越寺は奥州藤原氏二代基衡が再興したもので、火災で焼失した本堂は近代に再建された。平安文化を取り入れた庭園が境内に広がり、中尊寺同様に世界遺産となっている。
 池のほとりに立ち、往時を偲んだ。平安時代、奥州藤原氏は京の都から役人が視察に訪れた際は、この毛越寺に案内したと伝わる。平泉は中国大陸から僧侶や書物や文化をたくさん向かえ、京とは違う文化を誇っていた。その都とは違う文化ではなく、平安文化を取り入れた庭園が広がる寺院に案内したという訳である。
 平泉は平安時代の日本に於いて、京、博多と並ぶ日本三大都市であり、人口は京を上回っていたとも言われる。奥州藤原氏による政治の仕組みも先進的なものであった。だが、時代は武士の時代と変貌していく。源氏によって滅ぼされ(きっかけは源義経をかくまった事とされるが、それが本当の理由ではないように思われる)、時代は鎌倉時代になっていった。
 毛越寺の前の道を東に直進すると平泉駅である。電車の時間まで少しあるので、自転車を返却後、駅前の土産もの屋でTさんが買ってきた前沢牛コロッケ(前沢は隣町)を食べ、金色堂ビールを抱えて通勤型電車に乗り込んだ。
(RICOH GR)
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2018.09.25 Tue l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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