東成田
 青春18きっぷを持って年末の旅をした。予算の関係で泊まりの旅はできず、日帰り旅になったけれど、楽しみたい。
 JR総武線快速と成田線快速を乗り継ぎ、私は空港第二ビル駅へとやってきた。ここは、JRと京成線の合流する駅である。駅名のとおり成田空港の第二ターミナルとLCC用である第三ターミナルの最寄り駅だ。私は空港に用がある訳ではない。そんな私がこの駅で降りたのには理由がある。
 改札を出ると、すぐに地下道の入口がある。左に向かうと空港ターミナルで、皆そちらを行き来している中、私は警備員の横を通って地下道に入った。
 地下道は明るいが、随所に監視カメラが設置してあり、壁に貼られてある広告ポスターは歩き始めてすぐに消えて無機質な眺めになった。長く伸びた地下道をひたすら歩く。掃除のおじさん一名、向こうからやってきた男性(旅行者ではない感じ)が一名、合計二名しか遭遇しないまま、徒歩10分足らずで京成線東成田駅に到着した。
 東成田駅は地下道の明るさとはうって変わり薄暗い構内で、歩いている人は誰もいない。地上に出る階段はやたらに幅が広く、改札前にある、ベンチなどが置かれた待合所のような空間も広い。しかし、照明は薄暗いのだ。
 そう、ここはかつての成田空港駅である。現在の成田空港駅は元々は新幹線用に用意された場所で、長いこと放置されていた。それを1991年にJRと京成の駅としてオープンさせたものである。そして、初代成田空港駅は用済みとなり、とはならずに、東成田駅として、こうして生まれ変わった訳だ。
 東成田駅の位置はターミナルから離れているのは、今私が歩いてきた事でおわかりいただけると思う。ただ、飛行機に乗る人は利用しなくなっても、周辺にある空港関連施設で働く人が利用しているようで、このような殺風景で人の気配のない駅でも存続され、駅員も配置されているというわけである。
 改札を抜けて階段を下りる。エスカレーターはもちろん止まっている。構内が薄暗いのは、広い構内の一部しか今は使っておらず、その部分しか照明を当てていないからだが、ホームも同様で、4番線まであるうちの2番線分しか使っておらず、使われていないホームには照明は点いていない。よく見れば、「なりたくうこう」なんて書かれた駅名標がまだ残っている。
 なんとも寂しい駅だが、一応飲料水の自販は設置されていて、そこだけ「今」が生きているような気がした。現役の駅という感触が今一つ感じられないまま、40分間隔で運転されている東成田線の電車がホームに入ってきた。
(FUJIFILM X100)
スポンサーサイト
2017.01.22 Sun l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top

コメント

コメントの投稿












トラックバック

トラックバック URL
http://seasonz.blog18.fc2.com/tb.php/1470-d394e7ba
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)