美々駅
 苫小牧から千歳線の札幌方面行きの電車に乗る。一駅目の沼ノ端を出たあたりから車窓は湿地帯となる。新千歳空港方面への乗り換え駅である南千歳駅のひとつ手前にある美々(びび)という駅で私たちは降りた。
 美々という地名はアイヌ語の「ペッ ペッ」(川が集まるところを意味する)から付いたもので、いかにも湿地帯らしい地名と言えるが、駅のまわりは人家はほとんどない。いわゆる「秘境駅」である。降りたのは勿論私たちだけだ。
 千歳線は幹線なので通過する列車は多く、ホームは二面三線あり、ホームの造り自体は例によって砂利敷きだが端はコンクリート化されている。車掌さんに切符を渡し下車した。
 上空をジェット機が飛ぶ音が響き渡る中、外に出る。駅のまわりは雑木林になっていて、空き地のような状態になっている。近くに環境センターというゴミ処理場があり、その方向からトラックが走ってくる。とりあえず国道の方に向かって歩く。10分ほどで着いた国道は、次々と車が行きかう賑やかさだ。国道の向こうは空港の滑走路で、周辺は店などもなく殺風景な眺めだ。駅の方に戻る。
 駅に戻ったあたりで日没してきた。駅の近くに一軒だけ人家があることを確認し、駅舎に戻ってベンチに座って備え付けの駅ノートに訪問記念の記入をする。駅ノートの横に誰かが寄附した小型時刻表があるが、2008年のものであった。突然、車がやってきた音がした。一人の青年が駅舎内を見物し、駅ノートを記入して出て行った。
 南千歳方面の電車の時間が近づいてきたのでホームに向かう。美々は秘境駅でありながら、札幌の都市圏なのでICカート「Kitaca」が使える機械が改札に設置されている。訪問記念に帰りは「秘境駅でICカード乗車」を試みてホームへ。すっかり夜になった駅は、ホームを照らす灯り以外に灯りがない。そんな寂しい風景の中を電車がやってくる。美々から新千歳空港ターミナルまでは直線距離で3km、駅にして二駅である。一日の平均乗客数1人。来年春に廃止予定になっている。
(RICOH GR)
※ 2017年3月に廃止が予定されている北海道の10駅
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2016.12.07 Wed l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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