浜厚真
 浜厚真(はまあつま)駅に着いた。あたり一面は勇払原野で、ディーゼルカーが走り去ってしまうと静寂な空気に包まれた。国道は少し離れた所を通っており、駅前の道は細い裏道みたいな道である。ホームはやはり砂利敷きで、しかも駅前と高低差はほとんどなく繋がっている。厚真町の中心部は、この原野のずっと向こうである。
 駅舎は貨車を移設したもので、北海道ではよく見かけるスタイルである。駅舎内は細長いベンチと用具入れの小部屋があるだけだ。壁には運賃表と時刻表が掲示されている。西日が差しこんできて、中は思ったよりも明るい。貨車時代は無骨な黒い車体だったはずだが、海が近い駅ということで波が描かれ、側面には笑顔が描かれてある。
 駅舎の横には自転車が一台置かれている。定期利用者のものだろうか。JR北海道では、一日平均の利用者が1人に満たない駅を順次廃止しているが、この駅は候補に入っていないので、一日に2人以上の定期的な利用があるようだ。しかし、あたりは枯草ばかりで人家はほとんどない。駅舎内には苫小牧のフェリー乗り場までの案内が掲示されてあったが、この駅から徒歩20分ほどかけてフェリー乗り場に行く人はとても少ないだろう。
 27分の滞在で、苫小牧行きの列車に乗って引き返す。先ほど乗ってきた列車が二駅先の鵡川で折り返してきたものだ。海の方角に太陽が傾き始めた。近くのボックスに座っている女性がスマホを窓に向けて夕日を撮っている。荷物が軽装なので地元の人だと思われるが、思わず撮りたくなるような風景ではある。原野の中に溶け込むように太陽は落ちていく。
 苫小牧駅に着き、千歳線の電車を待つ間、空は夕方の色から青みを増し始めた。
(RICOH GR)
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2016.12.04 Sun l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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