札沼線
 新十津川を出た最終列車。まだ朝の9時台である。昭和の時代の製造であるキハ40はゆったりとした加速で石狩平野を走っていく。右手は低い山が並び、左手は田畑が広々と広がる景色が続く。私はこの路線に乗るのは二回目だが、景色は絶景といえるようなものはないので、前回はうとうとしながら乗っていた記憶がある。
 そんな車窓風景なのだが、現れる駅は無人駅で、しかも北海道仕様な簡素で古びた駅が次々と現れる。待合室の壁に掛かった駅名板が錆びすぎて一種のアートのようになってしまっている駅もあれば、これも北海道仕様な元仮乗降場だった板張りの短いホームの駅もある。
 晩生内(おそきない)のあたりから山が迫ってきて、にわかに山の麓の農村的風景になってくる。豊ヶ岡という秘境駅マニアによく知られた駅が近づいてきた。列車は小さな森の中に入っていき、民家のまったくない場所に小さな小屋が現れた。これは駅舎というより待合室である。列車は板張りの簡素なホームに停車した。ディーゼルカーのエンジン音しか聞こえない。
 豊ヶ岡の次の石狩月形あたりから景色は開けてきた。石狩月形から乗ってきたおばあさんのグループが「今日はえらく人が乗っているね」と驚きながら隣に座る。
 白樺の木が並ぶ駅前の道の先に真新しい建物が並ぶ北海道医療大学駅からは札幌市内への通勤通学路線になっていく。札沼(さっしょう)線は学園都市線という愛称がついているが、その愛称にふさわしいのはこの駅から札幌までの区間であり、この区間はもちろん廃止対象にはなっていない。
 隣のホームに6両編成の札幌行き電車が停まっていて、乗換の案内が放送され、ほとんどの人たちが乗り換えたが、私たちは一駅先の石狩当別駅まで乗り続ける。この一両のディーゼルカーが名残り惜しくもあるのだが、鉄道ICカードを集めているTさんからJR北海道のカード「Kitaca」を欲しいとリクエストもあったからである。石狩当別駅は駅員がいる駅で券売機があり、「Kitaca」も購入できる。私も購入した。カードに描かれているキャラクターが「なぜモモンガなの?」というTさんの質問に首をひねりながら、駅前を少し歩く。
(RICOH GR) ※この組写真は「Split Pgotos」というソフトで作成。左上は新十津川、右上は晩生内(おそきない)、左下は豊ヶ岡、右下は石狩月形。
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2016.12.01 Thu l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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