新十津川
 深川から函館本線の特急スーパーカムイに乗った私たちは滝川に向かった。旭川発札幌行きの特急だけに自由席の車内は二人分空いている席はなくデッキ部に立つ。滝川までは一駅分で20分足らず。
 滝川は空知地方の炭鉱地帯の中心都市のひとつだが、今は昭和の景色を残しながら静かに佇む町である。駅舎は大きく往時をしのばせ、横には待合室が建物になっているバスターミナルがある。私たちはそこからバスに乗る。券売機で切符を買って新十津川役場行きバスに乗った。
 空知川を渡り、滝川の町から農地に入ると新十津川。「しんとつかわ」と読む。水害で村が壊滅状態になった奈良県の筒川村の人たちが入植して作った町である。町役場の前でバスを降りて、近くにあるコンビニで買い出しをして、左に向かう道をまっすぐ歩き駅に向かう。
 赤煉瓦の農業倉庫が建っている。その先に小さな白い駅舎が見えてきた。左には大きな病院がある。駅の後ろには防風林が並び、北海道の農村風景らしさに溢れている。
 駅舎に入ると壁にたくさんの新十津川駅の写真が飾られている。駅スタンプもあり、駅ノートも過去の分もまとめてファイルに閉じてあるなど、地元民とファンからの愛が詰まった駅舎だ。さっそく駅ノートにコメントを書いていると、鉄道グッズを近くの店で売っているとTさんが壁に貼られたチラシを見ながら言う。まだ列車の時間まで少しあるので店に移動。
 駅近くにある「寺子屋」という喫茶店で新十津川駅グッズが売られていた。クリアファイルには駅横に佇むポニーの写真がある。店のおばさんの話だと三頭いるそうで、今は冬なので外には居ないのだそうである。
 駅に戻る。駅舎から一段高い位置にホームが一面だけある。ホームに上がって振り向いて駅舎を見ると「ようこそ新十津川へ」という歓迎板が出入口に掲げられていることに気付いた。写真を撮っていると、ゆっくりと列車が一両で入ってきた。本日の一番列車であり最終列車である。札沼(さっしょう)線の新十津川~浦臼は今春から一日一往復しか走らない区間になった。列車は予想以上に乗客が乗っている。20人近くいるだろうか。もちろん全員おそらく鉄道ファンである。
 新十津川駅。かつて、この先さらに北上して留萌本線の石狩沼田まで線路が通っていたが廃止になり、今こうして一日一本の列車を迎える執着駅になっている。そして、この札沼線の末端区間も現在廃止予定に上がっている。
(RICOH GR)
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2016.11.30 Wed l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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