瀬越
 増毛から深川行きに乗る。来る時の列車に乗っていた人はほぼ全員折り返している上に、増毛から乗ってきた人も10人以上は居て、二両の車内は八割くらい席が埋まっている。そのほとんどが鉄道ファンである。
 空はだんだん暗くなっていく。時間は15時台から16時台にさしかかるところだが、雨が降ったり止んだりな天気なので日没が早い。現れる駅すべてが、自分にとって最後の風景である。12月5日、増毛~留萌は廃止となる。増毛~箸別の間の一駅間のように、線路の保線が万全でないからか最徐行で走らざるを得ない区間もあり、終わりゆく鉄道の哀愁が滲み出ていた。そんな感傷的な黄昏風景を少しばかり照明の暗いキハ54が走っていく。この車両も国鉄時代の昭和61年に登場した車両である。
 私たちは留萌のひとつ手前の瀬越で降りた。日本海に沿って走る増毛~留萌に於いてもっとも海がよく見える駅である。降りたのは私たちだけだ。列車はワンマン運転なので無人駅では一番前のドアしか開かない。運転士に留萌本線フリーパスを見せて下車。
 瀬越駅は目の前が海である。北の方角に向かって突き出ている岬は黄金岬という夕日を眺める名所で、以前留萌に来た時はそこで夕日を眺めた。その夕日をTさんにも見せてあげたいと思い、瀬越で降りるプランにしていたのだが、あいにくの天気である。
 しかし、この寂しい眺めが、去りゆく無人駅を最大限演出しているようにも思え、そして廃止を嘆く駅の涙にも思えた。
 ホームはやはり砂利敷きであり、駅舎はなく小さな待合室がホームにあるだけである。待合室に入ってみると、誰かが置いていったと思われる木製の椅子があり、そこにサンタクロースの人形が置かれてあった。待合室の白い壁は塗装がが所々剥げ落ち潮風を受けている。
 廃止になったあとも、ここにホームと待合室が残され、夕日を眺められるスポットになると良いなと思う。北海道には、そういう風に廃止後も保存されている駅はいくつもある。私たちは何度も立ち止まりながら、駅の横から延びる坂道を上がっていった。
(RICOH GR)
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2016.11.26 Sat l 神奈川県以外 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

No title
TVで廃線になると知りました。
これだけの良い駅が。。。。。。
寂しくて涙でました。
でも夕日のスポットとして残りますね。
残っていて欲しいですね。
2016.11.27 Sun l aunt carrot. URL l 編集
No title
コメントありがとうございます。

もうすぐ留萌から増止にります。観光客乗るような路線ではないけれど、海と山をのんびり眺められるローカル線です。
増毛駅は高倉健さんの映画の舞台にもなったので町も残す方向で動いていうです。瀬越駅も残してほしいし、残るかもしれません。
2016.11.28 Mon l アルファ. URL l 編集

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