奈良公園
 京都鉄道博物館の混雑で昼食にありつけなかった我々は、虚ろな表情を浮かべながら京都駅に辿り着き、肉うどんで復活したあと奈良線のホームに向かった。「あっ、あれは!」とTさんが指差す方向には国鉄時代からの古豪103系通勤電車が停まっている。残念ながら今から乗るのは隣の快速であるが、こちらも割と古めの車両である。
 車内は混んでおり、前後に分かれて座った我々だったが、もう少しまったりしたくなり宇治駅で追い越す各駅停車に乗り換えた。こちらは先ほど京都駅で見かけた103系である。低音のモーター音をうならせながら走る大ベテラン、車窓はどんどん田園地帯になっていく。
 予定よりも遅れて奈良に着いた。このくらい気ままな旅のほうがいい。駅前から市内循環バスの外回り線に乗る。奈良市の中心部を抜け、10分ほどで奈良公園の前に着いた。道路には「鹿横断注意」の標識がある。我々は小走りで公園の中に入っていった。
 少し公園の奥に入ると鹿がいた。Tさんは早速鹿せんべいを購入。鹿は慣れたものですぐに寄ってくるが、天橋立のかもめと同じく、ここでもおとなしくて消極的な鹿がいる。Tさんは、そういう鹿を選んでせんべいをあげているが、その姿を見てアクティブな鹿が寄ってくる。そういう連中を避けながら必死に大人しい鹿にあげるTさん。大変ではあるが、それを楽しんでいるようにも思える。
 そんな時、ご婦人が声をかけてきた。なんと初日の信楽高原鉄道で、向いのボックスに座っていた子供連れの方である。その時に会話をしたわけでもないのに、我々のことを憶えていたのだ。その記憶力と出会いの偶然に驚くばかりである。
 京都の混雑で体力を消耗していた我々であったが、奈良公園の鹿に癒され、足取り軽く近鉄奈良駅に向かった。到着が遅かったので予定と変わりお寺巡りは出来なかったが、短い滞在時間でTさんも奈良を気に入り、「信楽と奈良は、また改めてゆっくり回りたい」と宣言。「またここに来たい」と思える場所に巡り会えるのは旅として大成功なのである。
 我々は近鉄電車で大阪難波駅に向かい、難波からは南海特急ラピート号に乗った。Tさんが子供の頃に一目ぼれした電車なのだそうで、その憧れの電車にぜひ乗ってみたいと今回の旅の終盤に組み込んだ。改札横にある551蓬莱の豚まんをビ-ルで食し、日の暮れていく南海沿線を眺めた。
 関西空港からはANAに乗って帰るだけである。時間の余裕を作ってあるので、たこ焼きを食べたり、買い物をしたりする。Tさんはラピート号のダイキャストモデルを記念に買った。定刻より20分ほど遅れて、我々を乗せた飛行機は夜空に向かって離陸した。羽田までは一時間ちょっとのフライトである。
(PENTAX Q LENS:PENTAX 01 STANDARD PRIME 135判換算47mm F1.9)
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2016.10.02 Sun l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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