小田
 コニカミノルタが写真事業およびカメラ事業から撤退してから、ちょうど10年になる。10年前に駆け込みで新宿にある旧ミノルタサービスセンターに、ダメ元で古いフィルムカメラを数台持ち込んだ。スタッフさんは親身になって相談に乗ってくれて、数週間後に無事にカメラは修理されて戻ってきた。その内の一台は、私が全国を旅してきた際の良き相棒になってきたカメラだったので、スタッフさんからカメラを受け取る時、ホッとしたことを憶えている。
 あれから10年。コニカの人も、ミノルタの人も、開発に関わってきた人は、いくつかのメーカーに移ってカメラやレンズを開発しているという。S社やP社がよく知られるところで、実際に両社は「ああ、ミノルタだなあ」と感じるエッセンスが発見できる瞬間があったりして、それはそれで嬉しい(S社は最近発表された高画質レンズの開発の際に、ミノルタの技術を生かしたと公式に述べている)。
 先日、偶然にもコニカミノルタ最後の一眼レフである「α Sweet DIGITAL」を手に入れた。充電器がないため動作未確認という品だったが、私の手元にはα-7 DIGITALがある。このカメラの充電器が使えるので思い切って購入した。レンズ付きだったので、不動品ならレンズ代だと思えばいいかと理由付けまでして買った。
 結果は大成功であった。綺麗なボディは軽いのにしっかりしたグリップを備え、エントリーモデルにありがちなひ弱さを感じさせない。各種画質設定のカスタマイズ度も中級機並みで、ボディ上部の構えて左にあるホワイトバランスダイヤルは様々な設定変更が出来る。なかなかマニアックな面白さを持ったカメラである。
 さっそく、試し撮りに出かけた。センサーもエンジンもα-7 DIGITALと同じだし、このセンサーはニコンやペンタックスにも使われ(610万画素の一眼レフがそれに該当する)、その写りの良さで名センサーと呼ばれる代物だ。写りは大体わかっている。そう思っていた。しかし、久々にCCDセンサーを使った一眼レフを使ってなんだか懐かしい気持ちになった。
 画質についての細かい話をするのが得意なわけでもないし、するつもりもないけれど、ひとつだけ言えるのは、写りが優しい深みがあるのだ。これがCCDの魅力というものなのだろうか? 今時のカメラに比べるとシャープさに欠ける写りであるだろうし、高感度性能も弱い。でも、撮っていてその懐かしい写りと、ゆったりしたリズムが心地いい。
 カメラで大事なことは性能よりも使い心地だと思っている。どんなに写りや性能が良くても、使っていてフィーリングが合わないカメラは買っていない。私は物事に嫌いな感情をあまり持たない人間なので、基本的にはカメラはみんな好きなのだが、買うカメラは「大好き」なカメラであり、「大好き」になる要素を持っているカメラである。10年という時空を経て手元にやってきたこのカメラは私にとって、とてもフィーリングの合う大好きなカメラになりそうである。
(写真は前回の小田栄駅から少し南に行った場所です)
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2016.03.31 Thu l カメラエッセイ l コメント (0) トラックバック (0) l top

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