気仙沼
 小牛田から東北本線に乗り一ノ関までやってきた。岩手県に入ったわけだが、ここから大船渡線に乗る。すでに空は真っ暗だ。景色は見えないが帰宅の高校生で賑わう列車だった。
 19時を回り終点の気仙沼に着く。今夜の宿は駅の近くの駅前旅館。古い木造建てだが館内はとても掃除が行き届いていい感じ。部屋にはこたつが置かれていてテンションが上がる二人。
 荷物を置いて一息ついてからタクシーで南気仙沼に出た。ここは気仙沼駅付近より港に近く飲食店も多い。Tさんが調べていた店は残念ながら正月休みだったが、タクシーの運転手さんおすすめの店二軒のうち、二人の勘で一軒めに入る。もし今ひとつなら早めに出てもう一軒のほうに行くことにする。
 スナック風の店構えなその店は中もスナック風だった。内心不安を感じつつもカウンターに座り、とりあえず気を取り直して生ビールを頼み乾杯し、カキ酢を食べる。昼間に石巻線の沿線でカキの貝殻の山を工場の横に見ていたのを思い出す。「うまい!」磯の香りがする。湯豆腐も来た。「うまい!」なんというかコクのある味わい。寒い夜は湯豆腐が特に美味い。
 調子づいてきた私達は熱燗を頼み、マグロ刺身まで頼んだ。これまたすごく美味い。次は先ほどからママの背中越しに冷蔵庫で輝く青い日本酒の瓶が気になっている。それを頼むと、なんと女川駅の売店で二人で車中用に買うかどうか悩んでいた「蒼天伝」という酒だった。ママ曰く「気仙沼のお酒ですよ」とのこと。思いがけず地酒にありつけ喜ぶ二人に、「これはサービスね、お正月だから」とお雑煮が出てきた。塩味の利いた味にしらたきやつみれに餅。これぞ郷土の味。美味い。
 すっかり気分は「この店にして良かった!」である。いつのまにかお客さんもカウンターの隅にいる男性一人になっている。その方と三陸の話を少しした。
 外は寒いので帰りもタクシーだなと二人で話していると、ママが電話でタクシーを呼んでくださった。帰りがけに「お年賀」とタオルをいただいた。一見客なのに申し訳なく思いつつ、外まで見送りにきてくれたママにお礼を言ってタクシーに乗る。
 旅館に戻り、風呂上りに部屋でこたつに入りお茶を入れてしばしの談笑。和室はなごむ。駅前旅館の庶民的な雰囲気は素晴らしいとしみじみする。
 翌朝、旅館を出るときの清算、旅館のおばあちゃんが手作りの折り紙細工を二つ持ってきてくれた。その心のこもったおもてなしに二人で何度もお礼を言う。おばあちゃんの優しい笑顔がとても印象的な朝になる。
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2016.01.13 Wed l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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