根府川
 GWに撮った過去の写真から何かセレクトしようかと選んでいたら、この写真で手が止まった。錆びた柵。錆びたレール。まるで廃線跡みたいな景色だけれど、もちろん現役、それも東海道本線の駅である。ただし、神奈川県内のJRの駅では珍しい無人駅だ。
 歴史を紐解くと、かつての東海道本線は今の御殿場線ルートを通って沼津に抜けていた。小田原や熱海へは支線が通っていたのだが、丹那トンネルが難工事の末に開通して熱海~三島~沼津が結ばれると、東海道本線は現在の小田原経由となり、国府津~御殿場~沼津は御殿場線となった。今でも御殿場線に乗ると使われていない鉄橋跡やトンネル跡を見ることが出来るが、それは東海道本線時代に複線だった名残りの遺稿なのである。
 小田原や熱海に鉄道が通る前は、この区間を人力鉄道が通っていたのだそうだ。人力鉄道とは、レールの上に載った人力車を人が引っ張って走らせるもので、現代では想像もつかないアナログな乗り物である。
 根府川駅の錆びたレールを見ていたら、ふとそんな歴史を思い出した。小田原から熱海の間は高台から海を一望する眺めの良い区間だし、途中の真鶴や湯河原はちょっとした観光地だ。もし今そのような鉄道があったら、観光需要があったかもしれない。なんて妄想をしてみる。
(KONICA KD-310Z)
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2015.05.02 Sat l 小田原 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

No title
こんにちは。

この区間の人車鉄道も、割と早い段階で動力化されて軽便鉄道になりましたから、その意味ではやがて本格的な鉄道が敷設されてくるまでの時代の1ページ、という感じだったのでしょうね。
人車鉄道だった時代には小田原から熱海まで4時間位かかったそうで、脱線転落が絶えないなかなかスリルのある乗り物だったらしいことが、牧野信一の「熱海線私語」で描写されています。
2015.05.03 Sun l kanageohis1964. URL l 編集
No title
kanageohis1964様コメントありがとうございます。

人車鉄道というものを初めて知ったのは、柴又に京成電車が通じる前にそういう鉄道があったと知ったのが最初でした。こういう歴史ものは大変興味深いので、紹介いただいた作品も読んでみたいと調べましたが、青空文庫かKindleなんですね。岩波文庫か講談社文芸文庫あたりにラインナップしてもらいたいものですが、検索していたら、河出文庫から出ているアンソロジー「むかしの汽車旅」という本に収録されているとわかりました。
実はこの本、私の「今後買う本リスト」に入っておりました。ぜひ買って読んでみたいと思います。
2015.05.04 Mon l アルファ. URL l 編集

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