小千谷
 翌朝、私は少し早起きして徒歩で駅に向かった。ホテルのすぐそばにはスナックなどが入っている小さな雑居ビルがあった。タクシーの車内からは気づかなかった。もっとも、このビルに入っている飲み屋が昨夜営業していたのかはわからない。
 駅の方向に太陽が雲間から姿を現してきた。今日は晴れなのだろうか。商店街はひっそりと静まり返っている。歩道の上に屋根が架かっているので雪は防げるため、歩道には積もっていない。昨日の雪の跡は路面に残っているだけだ。
 やがて橋が見えてきた。信濃川だ。昨夜タクシーで渡った時は思いのほか長い橋だと思った。山間だというのに結構川幅が広い。さすが日本一長い川だ。
 橋の歩道に雪が積もって歩きにくいのではないかと心配していたが、歩道の端から温水が噴き出していた。その小型スプリンクラーが一定の間隔を置いて設置されている。
 川のせせらぎは澄んで、静かに流れている。流れている方向が新潟市なのだ。昨日の大雪で街は更に雪深くなっているだろうか。
(iPhone5)
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2018.02.04 Sun l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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 定刻に長岡駅を発車した電車は快調に大雪の中を走り、小千谷駅に着いた。この先、越後湯沢方面は山間になっていくが、小千谷は平野から山間部に入っていく入口みたいな場所である。駅のすぐ近くには信濃川が流れている。
 当初は駅前からホテルまで歩き、途中でいい感じの飲み屋でもあればと思っていた。しかし、冬の雪国だけに夜も早いだろうと予想し、長岡で夕食は済ませてきた。
 小千谷駅に降り立った瞬間、そのひんやりとした冷気に、さすがに平野で海沿いの新潟市より一段と寒いと思った。ホテルまで歩く気はあっという間に失せ、素直にタクシーに決めた。幸い、一台停まっていた。駅前は市街地のはずれにあるので駅前広場も割と狭い。新幹線のない駅はこんなものだろうとも思う。
 私と共に降りていった数名の女子高生は出迎えの車に乗って、次々と駅前から去っていく。写真など撮りながらのんびりしているうちに、駅は閑散としてしまった。窓口は夜間閉鎖で、夜八時過ぎのこの時間は無人駅状態だった。
 タクシーの車内から駅前通りを眺める。信濃川に架かる橋が思いのほか長い。寒空の下、これを渡るのはしんどい。タクシーにして正解だったと思う。
 駅前からも、川を渡って市街地に入ってからも、商店街は続いている。歩道には屋根が架かった雪国仕様だ。もとよりやっていない店も多いのだろうが、ほとんどの店が閉まっていた。「ちょっと一杯」という気持ちも失せる。
 ホテルは駅前通りから少し外れた場所にある。建物は真新しく綺麗だ。今夜はおとなしく部屋で過ごそう。長岡駅の構内のコンビニで地酒も買っておいてある。これを飲んで雪見酒だ。
(iPhone5)
2018.02.02 Fri l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
新潟
 先日、新潟に行った。旅ではあるが、家の用事も兼ねたものである。
 出発の日の二日前、信越本線で電車が一晩立ち往生するという事故があった。大雪によって電車が走行できなくなったのだ。新潟平野はそれほど雪が積もらない(それでも東京とは比べものにならない積雪量だが)。そのため積雪対策が山間部ほどではないのかもしれない。
 私を乗せた上越新幹線は冬晴れの関東平野を抜け、雪に包まれた越後湯沢を過ぎ、やがて新潟平野に入った。越後湯沢は空は晴れだったが、長岡を過ぎた辺りから曇り出し、新潟が近づくと雪が降り始めた。
 前夜のニュースでは新潟市が何年ぶりかの大雪だと報じていた。一日の積雪量が70センチを超えている。それでも長岡や山間部の方は1メートル以上積もっていることと比べたら、まだましなのだ。
 私的には新潟市内でここまで積もっているのを見るのは初めてだった。所用で郊外に向かうバスに乗らなくてはいけないのだが、バスが出るバスセンターは駅から少し離れている。私は雪に埋もれた歩道を歩き始めた。
 雪に埋もれていると言っても、人が歩く幅くらいは掻き分けられているし、足跡で踏み固められている。駅前なので、その辺は歩きやすいことになっている。
 だが、郊外はそうではない。バスから降りた瞬間、雪に足を取られながら歩くことになった。ちょっとしたサバイバルである。
 所用を済ませてバスセンターに帰ってきた私は、駅まで歩く途中、親の実家だった所に立ち寄ることにした。
 実は行きは、雪でバスセンターまでの徒歩時間が意外にかかったので、昼食時間の余裕がなくコンビニでパンを買ったきりだった。近くにある某48劇場に行く人たちを横目に、バス乗り場の近くで慌ただしく食べるという始末だったので、少し空腹気味だったのだが、食事は後回しにして、日が暮れるまでにと歩き出した。
 表通りから外れると、駅前であっても道は雪で埋もれていた。先ほど乗ってきたバスも徐行運転だったが、自家用車も皆、悪戦苦闘している。私は膝まで埋もれながら路地に入っていき、実家だった建物を眺めたあと、駅に向かった。
 赤信号で立ち止まっていると、ミニスカートの女子高生が自分の横に来た。見ているだけで寒くなってくる。いや、実際は寒さを感じたのは新幹線を降りてからの30分くらいで、すぐに体が鳴れていた。雪は寒さを和らげてくれる。そして、雪国の雪はさらっとしていて案外きもちよくもある。
 この日の宿は長岡の先の小千谷市だ。信越本線は少しダイヤが乱れていた。7分遅れで新潟を発車した長岡行き快速は、途中二回ほどトラブルで止まった。二回目は二日前の事故の場所から割と近い所で、二日前もそうだったように踏切の所だった。また立ち往生か?
 だが、車内は焦る様子も苛立つ様子もなく、誰もが達観していた。こういうところが越後の人のいい面である。二日前の事故でも、乗客は怒るどころか、雪掻きをする常務員を手伝う人もいたという。
 電車は30分以上遅れて長岡に着いた。私は駅ビルで夕食にして、上越線の小千谷方面の電車に乗るためにホームに出た。夜とあって、おそらく氷点下の気温だと思うが、ホームで女子高生が一人電車を待っていた。私も不思議と寒くはない。
 上越線はローカル線といえど、さすが山間部を走る電車だ。ダイヤは乱れておらず、定刻に発車し、定刻に小千谷に着いた。駅と市街が離れている小千谷は、市街までを結ぶ駅前通りは暗く、店はほとんど閉まっていた。
(RICOH GR)
 ※新潟駅は現在工事中。近い将来、この駅舎は生まれ変わる。私が子供の頃から変わらないこの駅舎。国鉄の空気が感じられて大好きだ。
2018.02.01 Thu l 神奈川県以外 l コメント (2) トラックバック (0) l top
磐越東線
 年始休みを利用して、青春18きっぷの残りを使う旅に出た。行先は、またしても福島県。ただし、今回は常磐線である。
 上野駅から勝田行きに乗り、勝田の一つ手前の水戸から出る高萩行きに乗り換えた。高萩は茨城県北部の町である。降りたことのない駅なので終点まで乗り通した。
 高萩駅で降りると風が強い。空は快晴だが、風のせいか寒い。散策は軽く切り上げ、次の電車を待つ。次はいわき行きだ。待合室の隣のおばさん達が「今日は冬の天気ですね」などと言っている。天気は悪くないが、やはり寒いということなのだろう。
 電車がいわき市内に入ると、風は一段と強くなったような気がした。この辺りは海沿いなので風が強いのだろう。とうとう徐行運転となったが、なんとかいわき駅には到着した。しかし、そこから先は強風のため不通となっていた。バスで代行しているようだ。
 用事があって来た訳ではないので、私はここでルートを変えることにした。予定ではこの先の富岡まで開通している常磐線の旅をするつもりだったが、それは別な機会にする。
 駅の案内を見ると、磐越東線の次の列車が20分後くらいにある。こちらは山間を走るので強風の心配はなさそうだ。やってきたディーゼルカーに乗り込む。いわき駅の跨線橋を車内から見ると、サッカー福島県リーグのいわきFCの応援のぼりが風に激しく揺れている。いわきFCはJリーグを目指して精力的な活動を行なっているクラブである。いつか試合を観に行ってみたいと思っている。
 磐越東線は晴れた空の下、冬の農村風景の中を走っていく。やがて阿武隈川が近づき、渓谷を行く路線となるのだが、山が近づいてくるにつれ、地面に雪が現れ、やがて粉雪がちらつき出した。
 粉雪だった筈の雪は、風景が渓谷そのものとなると、本格的な雪と変わっていった。主要な駅で乗り込んでくる乗客は皆、寒そうな表情を浮かべている。外は真冬であった。
 終点の郡山が近づけば、つまり平地に行けば落ち着くかと思われたが、雪はどんどん強くなっていく。数日前にも訪れた郡山駅は雪に包まれていた。
 雪に対する準備をしてこなかった私は途中下車はせず、栃木県方面の電車の終点である新白河駅まで乗り通した。ここは東北新幹線との接続駅である。駅構内は東京に向かう観光客で混んでいた。駅員が「本日の東北新幹線の指定席は全列車完売となっています」と告げている。
 既にのどかなムードはない。高萩駅あたりの晴れた空もない。雪の降り積もる東北本線のホームに戻り、東京方面に帰るのだった。
(FUJIFILM X100)
2018.01.19 Fri l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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 二日目は郡山を七時頃スタートした。同行のTさんが「全国の第三セクター鉄道の完乗」を目標に掲げているとのことで、郡山から先、福島県と宮城県を結ぶ阿武隈急行と、仙台空港鉄道に乗りたいというので、早めの出発にしたのだ。
 早起きしたおかげで、電車の車内から朝の太陽を見ることが出来た。山から昇っていく太陽はとても力強い。北国を照らす太陽の頼もしさを感じる。こういう気持ちは雪の降らない地域に住んでいては感じにくいものだおる。
 宮城県内に入り、名取駅から空港線に乗り換える。電車は真新しい。私は2008年に秋田から三陸を旅した時に乗っている。平成に開業した路線なので全線高架で、広々とした田圃を見渡せる車窓である。「あまり期待しないように」と釘を刺しておいたせいか、Tさんは「思っていたよりは景色がよかった」と感想。ただし、車内はとても混んでいる。年末に出かける人達で大繁盛である。
 駅と空港はきれいな通路で直結している。空港でトイレタイムにして、少し空港ビルを見学。Tさんが焼きたて笹かまぼこセットを買ってきてくれた。お茶のサービス付で、待合用ソファに座って食べる。とても美味しかった。さすが本場だ。
 帰りの仙台行きは更に混んでいた。幼児が泣いていて可哀想になってくるほどの混雑。年末を宮城県の観光地で過ごそうという人達、或いは帰省の人達が大勢いるのだろう。
 仙台駅からは、「全国の私鉄を完乗する」ことを目標にしている私に合せて、地下鉄東西線という近年開業した渡船に乗る。取り立てて書くこともないが、時折電車は地上に出て、その車窓が森林公園のようだったことで「杜の都 仙台」を実感した。あと、乗車の際に買ったICカードのデザインが可愛かった。気になる人は「icsca」で検索を。
 仙台駅の構内で鯖寿司と餅を買い、福島方面に引き返す。阿武隈急行の乗り換え駅である槻木(つきのき)駅は仙台近郊といった感じの綺麗な駅舎と整ったロータリーを持つ駅だった。
 やってきた阿武隈急行福島行き電車は、伊達政宗をイケメンアニメキャラにしたイラストが描かれた車両で、車内放送も声優さんが行なっていた。この辺りは伊達家ゆかりの土地である。
 国鉄時代の終点であった丸森駅を過ぎると車窓は山深くなり、阿武隈川の渓谷美を堪能できるようになる。地面には少し雪も残り、青空の下、鯖寿司と餅を食べながら車窓を堪能していると、Tさんが買ってきた仙台駅の人気スイーツが出てきた。これがまた美味で、頬が落ちそうになる。それを食べながら銀河高原ビールのピルスナーを飲む至福の午後(私は甘いものを食べながら酒を飲める人だ)。
 福島県内に入ると畑が増えてきた。桃や林檎の畑が現れる。福島県は果物の名産地なのだ。福島駅からは東北本線を乗り継いで帰ることになる訳だが、さすがに栃木県に入ると名残惜しい気分になってきた。旅の気分の締めとして、宇都宮で降りた我々は居酒屋に向かうのであった。
(SONY NEX-6 LENS:SONY SEL 16-50mm F3.5-5.6 OSS PZ)
2018.01.17 Wed l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top