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富岡
 常磐線は三月に全線復旧する。上野と仙台を結ぶ特急も復活するという。昔、初めて東北を旅した時、帰りは新幹線ではなく常磐線特急スーパーひたち号で仙台から帰ってきたことを思い出す。
 現時点の暫定終着駅は富岡駅だ。震災後、いわき駅から北までの復旧工事が進行し、竜田駅まで開通してからしばらくは竜田駅が終着駅だった。富岡駅は元々特急停車駅だったから、ここまで復旧させたのは需要上、大切なことだったことだろう。
 富岡駅は被災して大きな被害を受けた駅である。私も被害を受けた駅構内の写真を当時見て衝撃を受けた。そんな富岡駅に列車は近づいていく。窓外は土木工事がまだ進行中で、建設中の橋や積まれた土などが線路のまわりに存在する。
 車内は思っていたより混んでいた。座席は半分ほど埋まっている。鉄道ファンかと思っていたのだが、そうではなく地元の人なのか、仕事の人なのか、とにかく所用があって利用している人であった。駅に着いたあと、皆は駅前からバスに乗り換えていくようである。
 富岡まで来る列車はまだ少ない。駅前からは、この先の相馬方面に向かってバスが出ているのだ。これももうすぐ鉄道に置き換わる。
 富岡で降りて散策をしようと考えてもいたが、工事中の駅周辺であり、折り返し時間も短いので、ホームで佇み景色だけを眺める。ホームも駅舎も真新しい。
 折り返しのいわき行きが発車した。太陽は山肌に隠れてきた。途中、反対方向を元スーパーひたち用車両651系を使った普通列車がすれ違った。特急車両を使った普通列車だ。こちらは三月の全線復旧で運用から離れることになる。
(iPhone5)
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2020.02.03 Mon l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
久ノ浜
 末続(すえつぎ)駅から一駅戻り、久ノ浜(ひさのはま)駅にやってきた。ここも海の近くの駅である。
 駅前は住宅街で、駅前広場にはタクシーも一台停まっていた。駅員もいて、ちょっとした田舎の町の駅という風景だ。
 海が近いからか寒い。自販で飲み物を買って飲んだ。歩いている人はいない。静かすぎる駅前だ。時間もないので、ホームに出て電車を待つ。ホーム上にドア付きの待合室があった。
 やってきた電車は混んでいた。鉄道ファンかと想像してみたが、旅を楽しんでいるような浮ついた感じはなく、皆、押し黙っていた。
(PENTAX Q LENS:PENTAX 01 PRIME ※135判換算47mm F1.9)
2020.02.01 Sat l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
末続
 いわき駅から広野行きに乗って末続(すえつぎ)駅にやってきた。
 駅舎は無人駅だ。上りホームからは海が見える。駅舎のある位置は海とは逆で、駅前の細い道路を歩いて線路下をくぐり、川に沿って歩いていく。
 川は真新しい護岸が施されている。震災後に行なったものだろう。歩いている人はいない。土手の上を歩きながら周囲を眺めるが、畑と家が点在するだけだった。
 海岸へは下りられながった。だが、堤防から浜を眺めることが出来た。海は青く、とても綺麗だ。
 駅に戻って駅舎を眺めた。古い木造駅舎だ。窓口は封鎖されているが、室内には海岸の写真が掲示され、駅ノートも置かれている。私も一言書いてみた。
 次の下り列車まで少し時間があるので、上り列車で一駅戻ってみる。ホーム上から先ほど眺めてきた海を見つめ、とても静かな末続駅を名残り惜しんだ。
訳だ。
(PENTAX Q LENS:PENTAX 01 PRIME ※135判換算47mm F1.9)
2020.01.29 Wed l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
いわき
 今年の旅始めは一月三日の群馬県上信電鉄の旅となった。それから二日後、常磐線に乗りに品川駅とやってきた。
 天気は良い。柔らかな日差しが広い畑を包んでいる。水戸でいわき行きに乗り替え、いわき駅とやってきた。いわき駅は福島県浜通り地方の中心地である平(たいら)の町にある。
 次の電車まで少し時間があるので駅を出た。改札の外の東西連絡通路には赤いのぼりが並んでいる。サッカークラブいわきFCの応援のぼりだ。いわきFCは福島県リーグから毎年全勝優勝を重ね、昨年も東北リーグ1部で優勝し、全国地域リーグのチャンピオンを決める大会で全国リーグであるJFL昇格を決めた。JFLの上はJ3、つまりJリーグである。
 地域リーグのサッカークラブでここまで町に飾りつけがある例は、北信越リーグ時代の松本山雅FCくらいだろうか。その松本もJ1を経験するまでになり、スタジアムはほぼ毎試合満員である。いわきもそうなるかもしれない。
 駅の東側は商業施設があり、賑やかな通りである。対して西側は静かな住宅街で、連絡通路の高さそのままの高台となっている。その高台から更に高い丘が見える。平城である。
 丘の麓に案内板があり、それに従い道路を上がっていく。やがて住宅街の中に公園のような敷地が現れた。そこが本丸跡なようだが、入口が閉ざされて中には入れなかった。
 周囲には蔵造りの建物風な美術館もあるが、戸建ての民家が並ぶ空間で、意識していないと城跡という感触はない。それくらいに遺構は少なく思われた。
 いわき駅に戻ってきた。ホームの待合室で電車を待つ。次に乗る電車は常磐線の現時点での東京方の終点である富岡方面に向かう広野行きだ。富岡まで行く電車は少ないので、まずはこの広野行きに乗って海を見に行こうという訳だ。
(PENTAX Q LENS:PENTAX 01 PRIME ※135判換算47mm F1.9)
2020.01.26 Sun l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top
伊豆大川
 稲梓(いなずさ)駅から各駅停車のリゾート21に乗って伊東方面に向かっている。熱川の辺りからまた空は明るくなってきた。それほど寒くなさそうなので、大川温泉の露天風呂に行こうと決めた。
 伊豆大川駅は無人駅だった。斜面に立つ駅で、山側のホームから短い階段を上がると駅舎がある。駅前広場は狭く、足湯がある他は持ち帰り寿司屋があるくらいで店は少ない。土産物屋か食堂だったのだろうか、使われなくなった店舗がひっそりと残っている。
 道はすぐにT字路となり、左折して海に向かって下りていくと、やがて海岸が現れた。並行して国道が通っている。その国道の脇に温泉に来た人向けに小さな駐車場があった。
 案内看板に従い国道の下に設けられた土管トンネルをくぐると、砂浜に立つ海の家のような温泉がある。手前が女性、奥が男性用の浴室で、真ん中に管理人室がある。
 入浴料500円を払って入るが、ちょうどグループ客が出てくるところだというおばさんの勧めに従い、先客が出てくるのを待ってから入った。カーテンで仕切られた脱衣所は狭く、すぐ脇が浴室だ。
 岩風呂は数人入ったら満員なほどの広さだが、空の下、波の音を聞きながら入る温泉は素晴らしい。肌寒さもすぐに慣れ、いい湯加減に暖まってきた。
 垣で仕切られているので立ち上がって側まで来ないと海は見えないが、海岸で温泉に入れるというのは気分が高まる。貸切状態で楽しんだ。
 出てきたあと、管理者のおばさんと少し世間話をした。飲み物の自販とベンチも置かれ、私が座っている間も海岸に行く人が横を通っていった。
 温泉の近くに三嶋神社が建っていたので参拝する。神社の横から駅に向かって上り道を歩く。来た時は西日が海岸を少し照らしていたが、もう夜が近い。
 次の電車まで少しあるので駅舎に佇んでみる。本棚があり文庫本などが置かれてあった。地元利用客用の貸し出し文庫といったところか。
 すっかり日が落ちた頃、熱海行き電車がやってきた。元東急の通勤型電車であるが、クロスシートとロングシートが混在している内装だ。夜になって車窓は楽しめないが、海側のクロスシートに座る。
 空いていた車内も、伊豆高原駅からは中国人の団体が乗り込み少し賑やかになり、師走の夜の町に向かって電車は淡々と走っている。あとは熱海でお土産を買って夕食をするだけだ。日帰りは寂しく、旅を続けたい余韻に包まれながら、電車はいつしか伊豆急線から伊東線を走っていた。
(FUJIFILM X100)
2020.01.22 Wed l 神奈川県以外 l コメント (0) トラックバック (0) l top