ソフト
 桜を撮りに行こうと思っているうちに、花は散ってしまった。近所の公園はいろんな花が結構咲いていて、旬を過ぎた桜の花も撮りつつ、少し楽しんで来ようと出かけてみた。
 デジカメ業界を取り巻く状況が変わりつつあり、最近は一眼レフを外で見かけるのは、観光地か、趣味の人が集まる撮影スポットくらいになってきている。この近所の公園も、花を撮るには良い環境だと思うのだが、一眼レフを構えている人は、ほとんど見かけない。
 昨年購入したミノルタの100mm ソフトフォーカスを、CCDセンサーの一眼レフで試してみようと、やってきたのだが、私以外で一眼レフを持っている人は皆無だった。
 公園には、小さな子供も大勢いる。最近は、写真撮影に対する警戒心というものが過剰なのでは?と思える時代なので、そういう場所では、それなりに気を遣わなければいけないのだが、私は我が家の犬を撮ったりしながら、花の撮影も楽しんだ。
 スマホで犬の撮影をしている女の子もいたりして、時代はスマホなのだよなと、改めて感じながら、そのうち、こういった公園で一眼レフを持っているだけで異様な目で見られる時代になるかもしれないと思ったのだった。
 いや、すでにそうなっているのかもしれない。しゃがんでローアングルで花を撮っている場合ではないのか。
(SONY α200 LENS:MINOLTA AF 100mm F2.8 SOFT)
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2017.04.23 Sun l カメラエッセイ l コメント (0) トラックバック (0) l top
大倉山
 今売れているコンデジといえば思いつくのがソニーのRX100シリーズ。このカメラが登場した時、公式サイトに開発者のインタビューが掲載された。RX100を初めて見た時に「ミノルタTC-1」に似ているなと感じたけれど、レンズの設計をした人はまさにTC-1のレンズを設計した人であった。(TC-1がどんなカメラだったかご存じない人は是非ネット検索してみてください)
 その方がそういった過去の、それも前の会社での仕事を公言した事も新鮮に感じられたが、それ以上に印象に残ったコメントが、「ミノルタは100mm三兄弟と呼ばれる名レンズがありまして」というものだった。RX100の初代モデルのレンズが28-100mmズーム(135判換算)だった事に対しての回答である。望遠側が100mmで終わる標準ズームは珍しいし、コンデジなら尚のことである。それについての説明として、この100mmという焦点距離への拘りの説明として、ミノルタの一眼レフ用レンズの話を持ち出したのである。
 ちなみに、コンデジのズームは24mm(135判換算)スタートが多いが、RX100が28mmスタートなのはTC-1が28mmレンズだったことを意識したものと私は想像している。

 ミノルタ100mm三兄弟ってどんな顔触れなのかというと、F2.8マクロ(これは今もソニーが生産継続中)、F2、そしてF2.8ソフトの三本である。
 マクロは、マクロにしてはボケが柔らかいレンズで、他社のマクロとは一味違うその個性にファンが多い一本だった。F2はミノルタらしくボケ味も良いが、とても解像感があるレンズで、生産期間が短かった事と、ポートレート派に人気で名レンズと言われた85mm F1.4Gの陰に隠れて幻の名レンズとなっている。そして、ソフトは文字通りソフトフォーカスレンズであり、ソニーでは生産継続されなかった事で一時期中古相場が新品の倍以上の値になったこともあるレンズである。

 この中で、私はF2は持っているが、100mmという焦点距離は使いどころが難しく感じていた。ポートレートや近づきにくい場所での花や昆虫などが使用用途として思いつくが、個人的にはあまり出番がない焦点距離である。それでも、ミノルタ100ソフトは気になる一本であった。その写りに定評があったからである。
 先月の終わり、某有名店の中古ページを眺めていると、このレンズが三本も出ている。中古カメラ店で滅多に見かけないレンズなので、同時に三本も同じ店で売っているのは珍しい。というか、そんな状況は初めて見た。
 お値段は?というと、何か裏があるんじゃないかと疑いたくなるほど安い。かつては新品価格の倍以上で取引されたこともあり、それは一時期の事でるとしても、長年新品価格程度で相場が安定していたレンズが、その相場の2/3以下で売られている。まあ、よく見てみると、他のミノルタレンズも相場より安く出ているので、この店の事情でそういう値付けになっているのだろう。

 私は数日悩んだ。以前から欲しい一本だし買ってしまおう!そう結論を出すまで数日かけた。売り切れていたら諦める。ただし、驚きの安値なので実物を確認しなくてはと、日曜日に都内にあるその店に出向いたのだった。
 店員さんに三本を見せてもらった。一本はレンズ内にクモリありなので他二本より更に安いがこれはパス。少し高めな一本と、小さいチリ混入な一本。持参のカメラに付けて試したりして比べて後者を購入した。(その後、他二本も売れた模様)

 このレンズ、ソフト効果を変えるリングがあり、そこを回す事でソフト量を変えることが出来る。0~3まで目盛りがあり、0にするとソフトフォーカスレンズでありながらソフトではない普通のレンズになる。その普通の状態での写りがまた素晴らしい。
 中古レンズだからか元々そういうものなのか、ソフト効果リングが少し硬いけれど、使ってみて「ああ買ってよかった」と思える一本になりそうだ。円形絞り、マウント側に付いているフレアカッター、デジタルの時代でも十分通用すると思うレンズなのである。さて、このレンズを持って花を撮りに行こう。
(写真は横浜の大倉山公園にて)
2016.10.23 Sun l カメラエッセイ l コメント (2) トラックバック (0) l top
ペンタックスQ
 少し前から「小さいミラーレス」を買うつもりでネットで色々とレビューを見たりして、コンデジ並みのサイズのカメラといえる候補をいくつか絞った。しかし、その候補のひとつが、後継機種が出そうにないことが判明して以来、新品は消え、中古も相場が上がり、更に新品はだけでなく中古の流通在庫も消えてしまった。
 私は別の候補を買うことに決めて、中古カメラ店のサイトをチェックし始めた。そのカメラは既に新品は売っていない。中古で良い物件を探すしかない。そのカメラの名は「ペンタックスQ」である。

 Qマウントはどうやら終了らしいという噂が、その界隈では囁かれている。Qマウントの最新機種であるQ-S1はこの夏、大手量販店の店頭から消えてしまった。毎年新型を登場させていたQマウントも、昨年今年と新型は出ていない。
 実は都内のある家電量販店でQ-S1の新品を見つけていたので、最初はそれを買うことを検討したのだけれど、マグネシウム合金で作られたボディの質感やデザイン面で初代Qを買うに至った。上にも書いたとおり、すでに新品は手に入らないカメラなので中古で買った。全国チェーンを展開しているカメラ店のサイトをチェックしていたら、福岡県の店舗に程度の良さそうな物件を見つけ、ネット取り寄せサービスを使用して自宅最寄である地元の店舗に届けてもらった。
 よほどの問題点がなければ購入しようと、気分を高揚させながら店に着き、さほどチェックもしないまま、私はカメラとレンズの入った箱を持って帰路に就いた。
 付属品一式と箱をとっておいてあるような人は、カメラを丁寧に使っている可能性が高い。今回も大当たりの物件となった。付属品はビニールに入っている。ここまでとっている前ユーザーは、どんな思いでこのカメラを売りに出したのだろう?カメラもレンズも新品のように綺麗だった。

 ダブルレンズキtットを購入したので、付属のレンズは「01 STANDARD PRIME」と「02 STANDARD ZOOM」である。01はいわゆる「標準単焦点レンズ」というもので、135判換算で47mm F1.9という仕様、02は「標準ズームレンズ」となり同じく換算で27.5~83mmのズームレンズである。知っている方もいると思うが、Qシリーズは途中でセンサーサイズが変更され大きくなった。Q-S1でこのレンズを使うと画角が変わり、広角寄りになる。
 私がこのセットで欲しがった理由が、この01レンズを使ってみたかったことにある。01レンズもボディの質感に負けず劣らずの金属感。しかし、とても軽い。ボディの「手の平サイズでとても小さいのに、手に持つと少しずっしりくる金属感」とは好対照である。実はQシリーズは、この初代モデルだけがマグネシウム合金で、二代目のQ10以降はプラボディになってしまった。それはそれで、トイカメっぽさが増してかわいいけれど、この初代の「どこかクラシカル」な雰囲気と金属感は、発売当初から気に入っていた。実は5年前に新宿で開催された発表展示会に足を運んでいる自分は、5年越しにこの感触を手に入れたのである。

 写りに関しては、まあコンデジのセンサーを使用したコンデジサイズなミラーレスなので高解像というわけではない。01レンズの作例を見ると結構綺麗な写りではあるが、センサーサイズの大きい他社のミラーレスと比べれば確かにそれは落ちる。でも、そういう実用面よりも、このボディの小ささでレンズ交換が出来るということ。そのレンズがとても小さいこと。つまり「遊べるコンデジ」ということで、肩ひじ張らずに楽しんでいきたい一台である。
 さっそく、エツミの白革ストラップを買ってきたし、近々ケンコーのフィルター径40.5mmのクローズアップフィルターを02ズームに付けて遊んでみようとか、次は03フィッシュアイレンズを買いたいとか、ゆくゆくはDマウント(8mm映写機用のレンズマウント)をアダプター経由で楽しんでみたいとか、プランを考えている。DマウントはフィルムサイズがQのセンサーサイズと似ているので、本来の画角で楽しめるのがまたいい。余裕が出来たら、ペンタックスのKマウントアダプターも買ってみたい。QにKマウントレンズを付けると換算5.5倍の画角になるので、手元にある通称ビスケットレンズこと「DA 40mm F2.8 XS」が220mmレンズ相当になり、超絶薄い望遠レンズとして遊べる。あくまで遊びとして楽しむ範囲ではるが。

 今後、ちょっとした散歩用として色々と活躍しそうなカメラとレンズ。このブログにもたくさん登場しそうである。
2016.08.27 Sat l カメラエッセイ l コメント (0) トラックバック (0) l top
京急川崎
 ある掲示板に「犬を撮ったり旅で使いたいとkissを買ったけど、大きさと重さで持ち出すのが億劫になりました。ミラーレスを買いたいと思うのですが、どれを買えばいいでしょう?」という相談スレッドがあった。今どきのミラーレスのAF性能はなかなかで、犬を撮ることもさほど苦ではないミラーレスも出てきているそうで、回答している人達が色々な機種名を挙げていました。

 それでも、動いているものを撮ったりするには一眼レフが一番いいというのは今も変わらないように感じています。様々なシチュエーションに対応するのは、今でも一眼レフなのであると思います。だからこそ、仕事でカメラを使っている人の多くは一眼レフなのでしょう。でも、確かに一眼レフは「大きく重い」(kissは違うんでは?という意見も出そうですが、どう感じるかは使用者によるものですから…)。

 色々とカメラを使ってみて感じますが、結局は適材適所なのです。万能である筈の一眼レフも街撮りに向いているかというと、そうではない。大きいカメラを持って観光地ではない街を歩くのは人目を引きやすい。街撮りは絞ってパンフォーカス気味に撮ることが多いですから、センサーサイズが一眼レフより小さいコンデジ、或いはセンサーサイズが割と小さめなミラーレスの方が適している。一眼レフも万能ではないのです。

 そんな感じで、そのスレッドの相談者の質問はなかなか難しいものであり、回答も様々なもの、というか回答者の好みが書き連ねられているような印象になっていました。
 「小さくて軽くて、動いている犬もバッチリ撮れて、スナップも使いやすいカメラ」。私はこう思いました。「kissのままで良いのでは」と。それで、旅用にはレンズ性能の良いコンデジでも買うか、割り切ってスマホにするか。そして、ミラーレス購入予算でキヤノンのパンケーキレンズを買って、kissの重さを軽くして犬用カメラにするのがベターなのではと。

 でも、あんなに小さくて軽いはずのkissでも、大きくて重いと感じる人は少なくないし、だからこそミラーレスというジャンルが売れたのでしょう。個人的には、最近のキヤノンやニコンやペンタックスのエントリークラスの一眼レフは凄く軽くなったと思うのですが、センサーサイズとレンズの大きさは基本的に比例するので、どうしてもマイクロフォーサーズと比べると大きい。そこが、小ささを求める人にとってネックとなるのでしょう。

 実は私もミラーレス購入計画を立てていました。持ち歩き用として、現在メインで使っているコンデジがかなり古い機種なので更新をしたくて、小型のマイクロフォーサーズでもと当初考えていたわけですが、結局コンデジ的使用が前提ならコンデジを買うのが良いという結論になりました。マイクロフォーサーズは、一眼レフ的な使用を前提に、出来るだけ装備を軽くしたいという時のカメラだと感じています。たとえば、旅カメラには最適ですね。ただ、それなりにかさばるのでコンデジの代わりにするのは難しい。

 こうして自分の例に当てはめてみても、「軽くてAF性能良くて万能」なカメラの選択って難しく、スレッドを読んで感じたのと同じく、自分に対しても「適材適所で行くべし」となりました。

 メーカーはモノを売りたいから「これ一台で色々と出来ます」とアピールしますが、カメラというジャンルは、様々な要求に応えられる万能な商品を作るのが難しいのだと、改めて思うのでありました。なので、私の手元には、645(フィルムですが)からスマホまでと、撮影機材が増えていくのです(と、購入欲を言い訳してみる)。
(写真はiPhone5 撮影地は京急川崎駅)
2016.08.14 Sun l カメラエッセイ l コメント (2) トラックバック (0) l top
小田
 コニカミノルタが写真事業およびカメラ事業から撤退してから、ちょうど10年になる。10年前に駆け込みで新宿にある旧ミノルタサービスセンターに、ダメ元で古いフィルムカメラを数台持ち込んだ。スタッフさんは親身になって相談に乗ってくれて、数週間後に無事にカメラは修理されて戻ってきた。その内の一台は、私が全国を旅してきた際の良き相棒になってきたカメラだったので、スタッフさんからカメラを受け取る時、ホッとしたことを憶えている。
 あれから10年。コニカの人も、ミノルタの人も、開発に関わってきた人は、いくつかのメーカーに移ってカメラやレンズを開発しているという。S社やP社がよく知られるところで、実際に両社は「ああ、ミノルタだなあ」と感じるエッセンスが発見できる瞬間があったりして、それはそれで嬉しい(S社は最近発表された高画質レンズの開発の際に、ミノルタの技術を生かしたと公式に述べている)。
 先日、偶然にもコニカミノルタ最後の一眼レフである「α Sweet DIGITAL」を手に入れた。充電器がないため動作未確認という品だったが、私の手元にはα-7 DIGITALがある。このカメラの充電器が使えるので思い切って購入した。レンズ付きだったので、不動品ならレンズ代だと思えばいいかと理由付けまでして買った。
 結果は大成功であった。綺麗なボディは軽いのにしっかりしたグリップを備え、エントリーモデルにありがちなひ弱さを感じさせない。各種画質設定のカスタマイズ度も中級機並みで、ボディ上部の構えて左にあるホワイトバランスダイヤルは様々な設定変更が出来る。なかなかマニアックな面白さを持ったカメラである。
 さっそく、試し撮りに出かけた。センサーもエンジンもα-7 DIGITALと同じだし、このセンサーはニコンやペンタックスにも使われ(610万画素の一眼レフがそれに該当する)、その写りの良さで名センサーと呼ばれる代物だ。写りは大体わかっている。そう思っていた。しかし、久々にCCDセンサーを使った一眼レフを使ってなんだか懐かしい気持ちになった。
 画質についての細かい話をするのが得意なわけでもないし、するつもりもないけれど、ひとつだけ言えるのは、写りが優しい深みがあるのだ。これがCCDの魅力というものなのだろうか? 今時のカメラに比べるとシャープさに欠ける写りであるだろうし、高感度性能も弱い。でも、撮っていてその懐かしい写りと、ゆったりしたリズムが心地いい。
 カメラで大事なことは性能よりも使い心地だと思っている。どんなに写りや性能が良くても、使っていてフィーリングが合わないカメラは買っていない。私は物事に嫌いな感情をあまり持たない人間なので、基本的にはカメラはみんな好きなのだが、買うカメラは「大好き」なカメラであり、「大好き」になる要素を持っているカメラである。10年という時空を経て手元にやってきたこのカメラは私にとって、とてもフィーリングの合う大好きなカメラになりそうである。
(写真は前回の小田栄駅から少し南に行った場所です)
2016.03.31 Thu l カメラエッセイ l コメント (0) トラックバック (0) l top